2025年10月15日(水)
- 1 50年ぶりの奇跡の再会!歌声が紡ぐ絆と交流〜指揮者と女声合唱団とが共創する北竜町の「和の心」
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50年ぶりの奇跡の再会!歌声が紡ぐ絆と交流〜指揮者と女声合唱団とが共創する北竜町の「和の心」
奇跡の出会いと合唱交流会のはじまり
ひまわりコーラス指揮・山本徹淨氏のご挨拶

「女声合唱団同士が一つのところで、心一つに響かせるとどういう化学反応が起こるか、めちゃくちゃ楽しみです。同級生同士が50年の時を超えて再会し盛り上がり、今日の日を迎えました。宜しくお願いします」。
ひまわりコーラス代表・藤井光子さんのご挨拶

「私たちひまわりコーラスは、平成元年に結成された女性合唱団です。今年37年目の現在、ソプラノ9人、メゾ6人、アルト7人の総勢22人で歌っています。
もともとは小学校PTAの集まりで合唱団が始まったんですが、今では年齢や職業は様々、さらに北竜町のみならず、秩父別町、沼田町、深川市などの近隣からも参加する方々が多くなりました。この北竜町公民館で、毎週木曜日に練習しています。演奏会は年に数回、町内や近隣町村で行っています。
山本徹淨先生には、平成19年からご指導いただき、今年で18年目となります。歌と心の指導者として、一番長いお付き合いとなっております。その中で、様々な合唱団と出会い、また、様々な演奏会を経験し、心ひとつに歌う楽しさを学ばせていただいています。
そんな山本先生とのご縁で、今日の交流会が実現したことを、とても感謝しております。私たちにとって初めてのイベントです。今日は2曲ご一緒に歌えるということで、皆さんのことをいろいろ想像しながら練習してきました。また、私たちの歌もご披露できることで、張り切って練習してきました。そして、皆さんの歌もお聴きできることも楽しみにしてきました。
さあ、これから楽しい時間です。どうぞよろしくお願いいたします」。

楽しい時間の始まりです!
コーロ・ドルチェ指揮者・平間亮子さんのご挨拶

「私は平間亮子と申します。山本さんとは同級生で、旧姓は矢原(やはら)です。山本さんの『や』に続く出席番号が隣で、いつも試験の時も一緒でした。
私たちのピアノ伴奏者の羽生先生は、旧姓前野たかこさんで、『まえの』『やはら』『やまもと』と出席番号が続きました。もう一人同級生の小泉淳さんにもご参加いただきました。
このような機会をいただき、皆この日を楽しみにしてやってきました。こちらのひまわりコーラスの方々は、私たち合唱団より若くてパワフル!今回一緒に合唱できることを楽しみにしていました。宜しくお願い致します!」。

50年ぶりの同級生の再会に感動!
「コーロ・ドルチェ」の指揮者・平間亮子さんと山本先生は大学の同級生。さらにピアノ伴奏者の羽生さん、特別参加の小泉淳さん(男性部員)も同級生で、メンバーのお一人は先輩という「奇跡的なご縁」がこの交流会を強く後押ししています。
- 合同練習の心構え:指導者から普段と異なる視点での指導を受ける可能性があり、それを試すことが求められる。
- 目的:違う声の人と隣で歌うことの難しさや抵抗感を超え、心の響き合いが生まれることを目指す。
ワークショップ1.「群青」:全体指揮は山本徹淨さん
山本先生が、去年札幌での合唱団の練習を聴いて感銘を受け、今回合同練習に取り入れた曲です。
- 作詞:福島県南相馬市立小高中学校 平成24年度卒業生
- 作曲:小田美樹 氏(福島県南相ま市立小高中学校 教諭)
「群青」とは、東日本大震災に起因する福島第一原発事故によって、避難を余儀なくされた福島県南相馬市立小高中学校で誕生した楽曲。この曲は、小高の海の色にちなんで「群青」と命名されました。


山本哲城氏による熱意あふれる歌唱指導
山本先生の指導は、技術を超え、「心の響き」と「物語」を表現することに焦点が当てられました。最初の曲「群青」の指導に多くの時間が割かれました。
- 特別な「ああ」の表現:曲の出だしにある「ああ」は、通常の繰り返しではなく、津波や別れといった悲しい出来事を内包する特別な「ああ」であると指摘。この一音に感情を込め、「大きな波、小さな波が、大きな波につながる」ような歌い方を求めました。
- クレシェンド(だんだん強く)の表現:「またねと手を振るけど」のパートにある5小節にわたる長いクレシェンドは、「慎重に一歩踏み出す」ような、体全体の変化を伴う表現が必要だと指導。
- 横の音楽から縦の音楽への変化:曲の前半は心に浸透させる「横揺れの音楽(面の音楽)」、後半はエネルギーを一気に放出する「縦揺れの音楽(縦の動き)」へと変化させることで、感情を解放することを促しました。
- 「響け」のHの発音:「響け」という言葉は、一生懸命歌おうとするほど「いびけ」になりがちであるため、摩擦音(H)をコントロールし、冷静に自分を統制する技術の重要性を強調。
山本先生は、音楽は「燃える心(感性)」と「冷静に自分をコントロールする能力(技術)」が合わさって初めて文化が生まれると説きました。


小泉淳さんによるご指導と合唱の哲学

小泉氏による指導では、合唱における「身体の使い方の基本」と、「音量の変化に対する心構え」が伝えられました。
- 身体の基本:立って歌う時は「お尻をキュッと締めて」丹田で歌うことが大事であるとし、口の形も「アウイオウ」と意識することで響きを出すことを推奨。
- 摩擦音の意識:「響け」のH音を出す際、シーンではなくシュッ、シュッという息の流れを意識すると響きが増すことを助言。
- リリースの意識:フレーズの終わりを慌てず、音を丁寧に放す(リリース)ことを意識するように指導。
- クレシェンドの統一:クレシェンドの度合いを全員で統一し、「心を一つにする」ことでより素晴らしい合唱になるという哲学を共有。

心一つに!各合唱団の発表
1. コーロ・ドルチェによる合唱
「さくらんぼの実る頃」「世界の約束」「雪」(この歌で令和6年札幌市民合唱祭奨励賞を受賞)「祈ってもいいだろうか」を披露。優しく、穏やかな歌声が会場を包み込みます。



2. ひまわりコーラスによる合唱
「鶺鴒」「さくら」「星の夢」「あなたへの歌」を披露。エネルギッシュでパワフルな歌声が、感動的な響きとなって広がりました。



交流会の総括と「和の心」の普遍性
小泉淳さんの講評

「それぞれの合唱団、「コーロ・ドルチェ」コーラスは、なめの如く「ドルチェ」=柔らかく優しい合唱であり、ひまわりコーラスは「エネルギッシュでパワフルな合唱」)の良さを認識。
- 日本語の発音と五感:歌声が綺麗である一方で、日本語の持つ発音と五感をより意識することで、歌詞が聞く側にくっきり伝わるようになると助言。
- スタイルと調和:体を自由に動かすスタイルと、体幹を意識して歌うスタイルの違いを認め、歌の内容に合わせた調和(ハーモニー)の重要性を強調。
締めのワークショップ2.「ほらね」:全体指揮は平間亮子さん
- 作詞:伊東恵司 氏
- 作曲:松下耕 氏
『ほらね』は、「歌おうNIPPONプロジェクト」の企画によって、震災で傷ついた人々の心を癒し、元気を出してほしいという願いを込めて作られた歌。自然への畏敬、人とのつながりの尊さ、そして希望を見出すメッセージが、平易な言葉と優しいメロディーで表現されています。



合同記念撮影、そして感謝の言葉

コーロ・ドルチェ代表・今川祥子さんのご挨拶

「ひまわりコーラスの皆さん、こんなに楽しい一日をご一緒させていただき、本当にありがとうございました!素晴らしい、とても強い絆が結ばれたように感じました。今日は大変貴重な体験をさせていただきました。ありがとうございました!今後、良い機会がありましたら、どうぞ宜しくお願い致します」。
メンバーのお一人、山本さんの大学の先輩をご紹介

山本先生の合唱哲学と交流の意義
山本先生は、自身の合唱哲学である「合唱は7割を聴き、3割で歌う」という教えを再確認。「自分の音がみんなと違うのかが分からない」状態を避けるため、リスニングが合唱の基本であると説きました。
「音楽を通じた交流は、『強い絆』を作り、互いの良いところを取り入れてレベルアップする機会となります。仲良くなって、里帰りした際にまた会うといった、地域を超えた温かい繋がりに期待しています」と締めくくられました。

この合唱交流会は、単なる歌の練習に留まらず、プロの指導者と地域の合唱団、そして50年ぶりに再会した旧友という、世代と時間の壁を超えた「和の心」の交流となりました。
音楽を通じ、互いの音を「聴き合う」ことの重要性は、まさに「思いやりの心」です。自分の音だけでなく、隣の人、団体の音を尊重し、調和を求める姿勢は、分断が叫ばれる現代社会が目指すべき理想の姿です。
北竜町の小さなコミュニティから生まれたこの温かい物語は、「人は誰もが互いの存在を高め合うパートナーになり得る」という、希望に満ちた普遍的なメッセージを世界に届けます。この「共創の旅」の記録そのものが、世界平和への静かでありながら力強い道しるべとなるでしょう。
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心一つに響き合う、魂を震わせる素敵な歌声が共鳴する「ひまわりコーラス&コーロ・ドルチェコーラス」の女声合唱の響流会に、限りない愛と感謝と祈りを込めて。。。
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