2025年1月27日(月)
1月22日(水)、「第17回B&G全国サミット」がベルサール東京日本橋(東京都中央区)にて開催されました。今回の第17回B&G全国サミットでは、「ミクロとマクロで見る公共施設の在り方」をテーマに、日本財団・笹川陽平 会長による特別基調講演や首長による事例発表、優良センターアワードなどが行われました。
北竜町からは、佐々木康宏 町長と田中佳樹 教育長が参加され、10年連続特A評価センターとして表彰されました。
- 1 第17回B&G全国サミット
- 2 第1部
- 3 特別基調講演「日本の将来は危ないか?」日本財団・笹川陽平 会長
- 4 第2部
- 4.1 事例発表1:ミクロ視点障がい者からみる公共施設の在り方ー特別施設整備と次世代型艇庫の活用事例:宮城県加美町・石山敬貴 町長
- 4.2 事例発表2:マクロ視点大樹町総合計画からみる公共施設の在り方によるプール特別設置の活用事例:北海道大樹町・黒川豊 町長
- 4.3 B&G全国指導者会からの依頼事項:指導者の養成と活用について:B&G全国指導者会・工藤祐直 会長(青森県南部町長)
- 4.4 第21回B&G全国教育長会議の報告:B&G全国教育長会議・米田規子 会長(兵庫県養父市 教育長)
- 4.5 B&GフレンドシップPROJECT中間報告令和6年能登半島地震被災地支援事業進捗報告:B&G財団・朝日田智昭 常務理事
- 4.6 石川県穴水町復興現状報告石川県穴水町・大間順子 教育長
- 4.7 募集!来年度の財団助成事業等について事業部海洋センタークラブ課・若林奈々さん
- 4.8 自治体派遣研修生の紹介
- 5 第3部
- 6 Youtube動画
- 7 その他の写真
- 8 関連サイト
第17回B&G全国サミット
B&G財団
公益財団法人B&G財団(2023年4月1日に変更)は、モーターボート競走法20周年を記念して1973年(昭和48年)に設立され、今年52周年を迎えます。同財団は、青少年の健全な育成、地域活性化と地方創生を目的に活動する公益財団法人です。
全国360自治体から首長273人・総勢800名が参加
第17回となるB&G全国サミットには、全国45道府県・360自治体から首長273人、副首長24人、教育長196人をはじめ、来賓、自治体関係者など約800人が出席しました。
北海道から32自治体が参加
北海道からは、32自治体「砂川市、小平町、厚岸町、剣淵町、大樹町、鷹栖町、斜里町、愛別町、遠別町、新篠津村、大空町、北竜町、枝幸町、下川町、東神楽町、名寄市、積丹町、和寒町、芦別市、長万部町、上富良野町、東川町、美瑛町、石狩市、浦臼町、秩父別町、沼田町、岩見沢市、苫前町、滝川市、古平町、室蘭市」が出席しました(配布資料記載順)。
北竜町・特A評価10年連続獲得
今回、20年連続特A評価獲得は2センター、10年連続特A獲得は21センターが受賞表彰を受けました。北海道では5センターが特A評価10年連続獲得となり、我が町北竜町のB&G海洋センターが、優良海洋センターを受賞し表彰されました。
この海洋センター評価は、各施設の管理・運営面を把握し、活動を活性化して、B&G財団が行う支援活動の指標となることを主な目的とし、最優良である特AからEまでの6段階評価(基準表に基づき、利用人数・事業開催状況・施設の維持管理などを定量的に確認)とされています。
議事進行
議事進行は、B&G財団職員、地方創生部防災推進課・片瀬めいさんと、地方創生部子ども支援課・小川真衣さんです。
第1部
主催者挨拶:B&G財団・前田康吉 会長(北海道滝川市長)
B&G財団・前田康吉 会長は、関係者の皆様への感謝のお言葉を述べ、「多様化する社会問題の解決に向け、自治体の皆様と共に考え、さらなる地域の発展のために、『青少年の健全育成』と『地域活性化と地方創生』を理念にとし、これまで以上に多岐にわたる事業を全力で推進していく所存です」と挨拶されました。
来賓紹介
日本財団・笹川陽平 会長、日本財団・笹川順平 専務理事、日本財団・佐藤英夫 常務理事、B&G財団・岸ユキ 評議員(女優・画家)、株式会社マリカンパニー・谷川真理 代表取締役、B&G財団・佐野慎輔 理事(産経新聞社客員論説委員)、B&G財団・小林玄一様 施設整備委員会(小林建築研究所代表)、B&G財団・前田康吉 会長(北海道滝川市長)、B&G財団・菅原悟志 理事長、B&G財団・朝日田智昭 常務理事、B&G財団・岩井正人 常務理事
イントロダクション:
防災拠点の設置及び災害時相互支援体制構築事業
1.B&G財団相互支援について:
B&G財団地方創生部防災推進課・藤江嵐大さん
- 2024年度には全国69拠点に拡大
- 防災支援概要、防災拠点が保有する資機材(油圧ショベル・スライドダンプ、救助艇等)
- 能登半島地震や豪雨災害での活用事例を紹介
2.青森県平川町被害状況等について:
青森県平川市・須々田考聖 教育長
青森県津軽地方において、記録的積雪による豪雪災害が発生。B&G財団を通じて「防災拠点の設置および災害時相互支援体制構築」事業により重機が配備され、秋田県男鹿市と岩手県久慈市の両市から重機とオペレーターの職員が派遣され、学校や集会所など公共施設の除雪作業が実施されました。
特別基調講演「日本の将来は危ないか?」
日本財団・笹川陽平 会長
笹川陽平 会長・プロフィール
- 1939年(昭和14年)1月8日生まれ、86歳
- 日本財団会長:2005年・平成17年7月~現職
- 笹川平和財団名誉会長:2016年・平成28年7月~
- WHO(世界保健機関)ハンセン病制圧大使:2001年・平成13年5月~
- 日本政府ハンセン病人権啓発大使:2007年・平成19年9月~
- ミャンマー国民和解担当日本政府代表:2013年・平成25年2月~
- 令和6年春の叙勲・旭日大綬章受賞・文化功労者に選出:2019年・平成31年4月29日発令
笹川陽平 会長は、福祉や教育、国際協力などの事業を支援する公益財団法人 日本財団の会長を務めるかたわら、WHO(世界保健機関)のハンセン病制圧大使なども務めるなど、長年にわたるご尽力、幅広い分野での活動が高く評価されています。
尚当日、参加者全員に笹川陽平会長直筆サイン入り著書『愛する祖国へⅡ』(産経新聞出版)が配布されました。
特別基調講演・概要
1.ユーモア溢れる自己紹介と、講演への想い
講演は、笹川会長のユーモラスな自己紹介から始まりました。ご自身の結婚にまつわるエピソードを披露し、人を説得するのが苦手だと語る一方で、長年にわたりB&G財団の活動を支えてきた前田会長や菅原理事長への感謝を述べ、今回の講演を引き受けた経緯を説明されました。
2.B&G財団の設立と、時代を先取りした視点
B&G財団が設立から52年を迎えたことへの祝辞から、講演は本格的にスタートしました。設立当初、笹川良一氏がドイツで得た「地域コミュニティを重視したスポーツ施設の重要性」という助言が、B&G財団の原点となったことを紹介。当時、地方自治体では予算がつきにくい中、未来を見据えた施設の必要性を訴え、今日の発展につながったエピソードは、胸を打つものがありました。
3.変化する時代と国際情勢
時代は「明治は遠くなりにけり」から「昭和は遠くなりにけり」へ。昭和100年を迎える今、世界情勢も大きく変動しています。トランプ大統領の登場や地球温暖化による気候変動、そして日本を取り巻く国際情勢について、具体的な例を挙げながら危機感を訴えました。特に、海洋環境の変化が日本の食文化に与える影響については、非常に重要な指摘でした。
4.日本の平和と独立、そして「世論(せろん)」から「輿論(よろん)」へ
なぜ日本は平和なのか? 笹川会長は、日本国憲法の前文に触れ、諸外国の信義に頼った安全保障の危うさを指摘します。そして、真の独立国家に必要な要素として、自主憲法、国軍、スパイ防止法、サイバー対策、武器製造能力などを挙げ、現在の日本の現状に警鐘を鳴らしました。
ここで重要なキーワードとして登場したのが「輿論(よろん)」という言葉です。戦後の日本では、「輿」という漢字が使われなくなったため、「世論(せろん)」という言葉が一般的になっています。しかし、笹川会長は「世論」は国民の感情であり、「輿論」は将来を見据えた指導者の意見だと説きました。現状を打破するためには、国民の感情ではなく、リーダーシップを持った「輿論」が必要だと訴えました。
5.未来を切り開くリーダーシップと「輿論」の力
最後に笹川会長は、上杉鷹山、斎藤隆夫、小林虎三郎といった歴史上の人物を引き合いに出し、国を思う強い覚悟と行動が、未来を切り開くことを示しました。現状に甘んじることなく、時には嫌われることを恐れずに「輿論」を形成し、行動することが重要だと強調。最後に、B&G財団の継続性への敬意を表し、日本財団として協力できることがあれば、積極的に支援したいと締めくくりました。
今回の講演会を通して、私たちは、現状に甘んじることなく、未来を見据えて行動することの大切さを改めて認識しました。笹川会長の熱いメッセージは、私たちの心に深く響き、明日からの行動を大きく変える偉大なるパワーとなることでしょう。
講演全文「笹川陽平ブログ」
「B&G財団第17回全国サミット講演」 ―参加者800名― B&G財団はBlue Sea and Green Land…
休憩
第2部
- 会長 :福井県大野市・石山志保 市長
- 副会長:熊本県南関町・佐藤安彦 町長
- 副会長:長野県白馬村・丸山俊郎 村長
事例発表1:ミクロ視点
障がい者からみる公共施設の在り方ー特別施設整備と次世代型艇庫の活用事例:宮城県加美町・石山敬貴 町長
加美町中新田海洋センターは、2019年度(令和元年度)~2021年度(令和3年度)に財団助成を活用し、「誰もが一緒に楽しめる拠点」に生まれ変わりました。 施設内を全面バリアフリー化し、段差のないスロープや車椅子対応のシャワー室、多目的トイレを設置。事務所新設により、常駐スタッフを配置し、障がい者も安心して利用できる環境を整えました。
事例発表2:マクロ視点
大樹町総合計画からみる公共施設の在り方によるプール特別設置の活用事例:北海道大樹町・黒川豊 町長
大樹町海洋センターは、2023年度(令和5年度)に財団助成を活用し、上屋付きプールから小学校に隣接する屋内温水プールの建て替えを実施。プールの熱源は、木質バイオマスボイラーを利用。25mプール(4レーン)、低学年用プール、幼児プールのほか、採暖室、バリアフリートイレ、見学ゾーン、監視カメラ、地震時逆流防止装置などの設備を整備しました。
B&G全国指導者会からの依頼事項:
指導者の養成と活用について:B&G全国指導者会・工藤祐直 会長(青森県南部町長)
- 2025年度センター・インストラクター養成研修派遣依頼
- 地域指導者会における活動展開(B&G指導者の幅広い分野の取り組み)
- 首長への3Kの推進:「研修派遣」「活動理解」「言葉がけ」
第21回B&G全国教育長会議の報告:
B&G全国教育長会議・米田規子 会長(兵庫県養父市 教育長)
- 2024年11月22日(金)に実施された第21回B&G全国教育長会議は、45都道府県238自治体より教育長222名を含む総勢295名が参加
- 基調講演「地域部活動の新しい形の創出:一般社団法人未来地図・代田昭久 代表理事」が開催
- その他、事例発表について
- 第21回全国教育長会議提言:多様な活動ができる環境の整備
B&GフレンドシップPROJECT中間報告
令和6年能登半島地震被災地支援事業進捗報告:B&G財団・朝日田智昭 常務理事
- 対象自治体:穴水町・志賀町・七尾市 ・支援金総額 23,773,501円
- 常務理事被災地海洋センターの現状についての説明:
マリンスポーツ体験等の提供、子どもの遊び場・体験活動の提供、仮設住宅団地の買い物支援、児童養護施設への飲料寄贈、高齢者施設訪問ハンドケアサービス支援、震災遺族への新盆支援など
石川県穴水町復興現状報告
石川県穴水町・大間順子 教育長
- 仮設住宅の現状 ・オンラインによるハイブリッド授業(中学校3年生)
- 保育園児と小学生がともに過ごしたり、支援物資による給食をいただくなど、皆が協力し合って学校生活を送る
- 小学校仮設校舎完成により、8ヶ月ぶりに授業再開
- 子どもたちは元気に笑顔で学校に通う
- B&G財団のきめ細かな支援により、子どもたちは悲しい地震の記憶から、楽しい思い出が増えている
- 勇気と元気をいただいて頑張ることができている。ありがとうございます!
募集!来年度の財団助成事業等について
事業部海洋センタークラブ課・若林奈々さん
- 熱中症対策における特別支援事業:海洋センタープール周辺に救護室の設置(2025年度は15か所限定)
- 「B&G拾い箱(漂着ごみ専用のごみ箱)」の設置
- 海洋クラブについてのご案内
自治体派遣研修生の紹介
- 北海道愛別町からの出向→事業部 海洋センター・クラブ課に配属:廣富光昴さん
- 岡山県奈義町からの出向→事業部 海洋センター・クラブ課に配属:香山和寛さん
- 鹿児島県天城町からの出向→企画部企画広報課に配属:松岡秀子さん
- 被災地支援事業の企画立案:「高齢者施設訪問ハンドケア」について:
心身のリフレッシュを目的に企画し、メンタルヘルスの向上につなげることができた
第3部
表彰:10年連続特A評価センター
※10年連続特A評価センター表彰においては、受賞者が多いため映像で紹介され、登壇による表彰は、代表者の方が受け取られました。
北竜町受賞
全21市町村受賞
- 北海道小平町 B&G海洋センター………関次雄 町長
- 北海道遠別町 B&G海洋センター………国部雅人 町長
- 北海道北竜町 B&G海洋センター……..佐々木康宏 町長
- 北海道芦別市 B&G海洋センター………萩原頁 市長
- 北海道上富良野町 B&G海洋センター……斉藤繁 町長
- 青森県平川市尾上 B&G海洋センター……長尾忠行 市長
- 岩手県洋野町種市 B&G海洋センター……岡本正善 町長
- 秋田県由利本荘市西目 B&G海洋センター..湊貴信 市長
- 埼玉県吉見町 B&G海洋センター………宮崎善雄 町長
- 新潟県新潟市味方 B&G海洋センター…..中原八一 市長
- 新潟県新潟市新津 B&G海洋センター…..中原八一 市長
- 新潟県佐渡市小木 B&G海洋センター…..渡辺竜五 市長
- 富山県富山市八尾 B&G海洋センター…..藤井裕久 市長
- 福井県坂井市丸岡 B&G海洋センター…..池田禎孝 市長
- 岐阜県中津川市福岡 B&G海洋センター…小栗仁志 市長
- 岐阜県富加町 B&G海洋センター……..渡邉圭太 町長
- 静岡県沼津市戸田 B&G海洋センター…..頼重秀一 市長
- 愛知県豊川市小坂井 B&G海洋センター…竹本幸夫 市長
- 滋賀県多賀町 B&G海洋センター……..久保久良 町長
- 愛媛県今治市朝倉 B&G海洋センター…..徳永繁樹 市長
- 福岡県大任町 B&G海洋センター……..永原譲二 町長
20年連続特A評価獲得センター
- 広島県府中市 B&G海洋センター…….小野申人 市長
- 愛媛県愛南町御荘 B&G海洋センター….中村維伯 町長
全国サミット共同宣言
誰ものが「利用できる」から「利用したくなる」施設づくり:海洋センターを取り巻く地域社会のニーズを汲み取り、付加価値をつけることでより魅力的な施設をアップデートしよう!
B&G財団・岸ユキ 評議員・締めのご挨拶
岸ユキ 評議員は、全国サミットに参加し、多くの刺激を受け、宮城県加美町、北海道大樹町の事例発表が印象的であったと述べた。さらに、フレキシブルな考え方が海洋センターを活用することの重要性を強調されました。
「子どもたちの瞳がキラキラと輝き、若者たちが大きな夢を語り、年齢を重ねた人々が穏やかな笑顔で過ごすような素敵な光景が広がる未来を創造する」をコンセプトに、幅広い視野で活動し、日本の未来を明るく元気な波動に導くB&G財団の偉大なる功績に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。
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◇ 取材・文章:寺内郁子(撮影・編集協力:寺内昇)