1 発刊にあたって:北海道中央バス株式会社 観光事業推進本部 副本部長 戎谷侑男

ひと・こと・もので観光

北北海道中央バス株式会社 観光事業推進本部 副本部長 戎谷侑男

 
今から35年前の1988年(昭和63年)春頃中央バスの滝川ターミナルの事務所に訪ねて来た男性がいた。

「こんにちは〜すまんけど、このポスター貼ってや」といきなりの挨拶。どこの誰?初めて見る顔だ。どちら様ですか?「北竜町のサコウだけど」これが北竜町との出会いのはじまり。大胆素敵なこの出会いが私と佐光さんとの新たな長い付き合いになるとは思いもしなかった。

1990年の秋に中央バスが札幌に旅行会社(旧シィービーツアーズ)を設立することになった。私がその会社の準備室から関わり翌年(1991年)旅行会社を開設したのだが、それに合わせるように佐光さんの営業的攻勢が始まったのである。(笑)

札幌の会社に時々お越しになって北竜町ひまわりまつりにバスツアーを企画して欲し
いと強い要望があり、毎年ひまわりまつり関連のバスッアーや定期観光バスなどで北竜町にお客様を送り続けた。当初は小規模なスケール感だったひまわり畑も40年以上経った今では、日本一のひまわり畑になったのには驚きと感動を感じるばかり。その後も北竜町ひまわり大学に講師として招かれ、農業体験の中からお客様と生産者の交流を提案し、お昼に農家の皆さんの家庭料理をごちそうになる仕組みについて講話したこともあった。

2015年に弊社の新企画として町長・村長がバスガイドをするツアーをシリーズ化することになった。2016年は北竜町の佐野町長にお願いし、そば祭りに合わせて実施したところ非常に高い人気商品となったことと、お客様からリクエストがあったため2017年以降も続けて開催。高田幸男さんの黒千石大豆の収穫体験や渡邊靖範さんの北竜メロンの収穫体験など多彩な企画内容に加え、佐野町長の名ガイドぶりが人気となり、例年満席状態で実施することができた。

「ひと・こと・もの」がいかに大切であるか、また旅行の成功可否には地元の受け入れが最も大切な観光資源だと改めて認識したのだった。

これからは全国一の規模を誇るひまわり畑におごらず新たなアイディアを組み入れたアトラクションなどひまわりに飽きの来ない工夫が必要となる。そのため今後の北竜町の観光にはまちの開拓の歴史を学び直し、説明できるボランティアガイドの育成に力を入れて取り組むことが大事でないかと思う。

無いものねだりではなく「あるもの探し」の気持ちを大切に町内外の交流を深めていただければと思います。

 

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