2021年8月27日(金)
北竜町碧水地区にあるコンビニ「セイコーマート」は、地域の暮らしを守る、地域の人々にとって大変貴重な存在のお店です。
セイコーマートへきすい(北竜町碧水)
25年前のセイコーマート立ち上げ当時のお話を、黄倉良二 氏(元JAきたそらち代表理事組合長)とセイコーマートへきすい・干場正 代表のお二人に伺いました。
黄倉良二さん(82歳)のお話
北竜町農協が経営する3店舗
戦後まもなく、北竜町農協創立時に北竜町内の和地区、碧水地区、美葉牛地区で3店舗を運営していました。店舗と鍛冶屋は、農協組合員の暮らしを守るために無くてはならない施設です。
しかし、店舗によっては経営が困難な状態にありました。とはいえ、地域の暮らしにとっては大切な店舗。無くしてしまうことはできません。経営合理化計画が策定され進められました。
和地区の店舗は存続・美葉牛地区の店舗は移譲
北空知の8農協の合併が協議される中、農協合併時の条件のひとつとして、1農協1店舗が合意されました(JAきたそらち合併は2000年)。北竜町農協では、和地区の1店舗を存続することとしました。
美葉牛地域については、当時北竜町農協の組合長であった私は吉尾政一 組合長代理に相談。吉尾組合長代理の多大なるご尽力によって、美葉牛地域の住民が経営する細川商店に経営を移譲することとなりました。
碧水地区の店舗はセイコーマートと合併
碧水地区の店舗については、コンビニエンスストアへの委託を交渉するも条件が合わず難航。生鮮資材の販売スペースや直売がコンビニエンスストアでは受け入れられないというのです。
そのような状況の中、全道への店舗設置を掲げるセイコーマートさんが唯一受託してくれました。北竜町農協の店舗が扱っていた生鮮資材の場所、直売を受け入れてくれたのです。セイコーマート・西尾長光 社長の決断でした。農協とコンビニエンスストアとの北海道における合併第1号です。
碧水地区の農協店舗をコンビニエンスストア『セイコーマートへきすい』として、1997年(平成9年)に運営がスタートしました。
干場正さん(76歳)のお話
退職金を投資し、セイコーマートへきすいの経営をスタート!
私は、北竜町農協での職員時代、人事異動でこの碧水地区の店舗に関り運営に携わっていました。
その後、セイコーマートへの委託協議が進む中、北竜町農協の役員と職員のメンバー5名で株式会社を立ち上げ、セイコーマートへきすいの経営をスタート。農協の役員として、黄倉 組合長と吉尾 組合長代理、職員は石川氏と干場氏、店長の藤井氏の5人でした。
しかし、農協合併後、JAきたそらちとセイコーマートの決算時期が異なり、会計法上、農協はセイコーマートへきすいの店舗経営ができないことがわかったのです。組織は、会計年度を2つ持つことできないことが理由です。
そこで、私が54歳ときにJAきたそらちを退職し、退職金を使い農協所有の株式を1,000万円で買い取り、代表取締役に就任。農協から独立した状態で、セイコーマートの経営をスタートしました。
道を挟んで向かいには北海道で売上が5本の指に入るセブンイレブンもありましたし、将来は見通せませんでした。しかし、多くの人々と苦労して関係したきた以上、逃げるに逃げられなくて(笑)。これまで必死に取り組んできました。
店舗を引き継げたのは妻の支えであり、地域の方々のお陰
セイコーマートへきすいを経営し続けることができたのは、かあさん(干場いく子さん)が美容院をやっていたお陰です。最初の頃は、様々な支払いにも大変苦労しましたが、かあさんが生活を支えてくれたお陰で、乗り越えられたと感謝しています。
そして、これまでやってこれたのは、地元の営農組合や団体が、宴会・法事・冠婚葬祭などで使ってくれたお陰です。ほんとに助かっています。以前は、冠婚葬祭も立派で、仕出し・お返しなど箱詰めが使われていました。
町全体で支え合い、協力して店舗を引き立ててくれていたので栄え賑わっていました。地元の人々が、本当によく店舗を使ってくださるので、心から感謝しています。
三原淳平 店長、藤田大輔さんの頑張りに感謝!
オープン当初からの社員の現店長・三原淳平さん、藤田大輔さんの二人が、文句・愚痴の一つも言わず、黙々と仕事をこなしてくれて、とても頑張ってくれています。
お二人は、お客様からのどんな小さな品物の発注でも、金額や個数には関係なく、労力を惜しむことなく高齢者のために配達をしてくれています。本当にお二人は、多くの地元町民からの信頼を得て、皆さんに喜ばれている大切な存在です。
健康の秘訣は、仕事で身体を動かすこと
こうして今でも元気でいられるのは、この仕事のお陰です。早朝から目一杯動き回るので、身体にはとても良かった思います。
私は、朝は3時頃起床し、4時には出勤して準備を開始。店舗には5時に商品が運ばれます。夕刻5時半頃に帰宅し、夜7時には就寝しています。毎日、20年以上この生活を続けています。
冬は、セイコーマートの配達車が到着する前に、除雪作業を完了しなければならいなので大変です。
地域の方々への感謝の気持ち
こうして店が続けられるのは、地域の方々のお陰です。感謝しかありません!
黄倉良二さんのお話:北竜町の干場ファミリーに宿る偉大なる魂
干場さんのご両親はとても立派な方でした。お父さんはいつもニコニコ顔で、怒った顔を見たこと無いし、お母さんは、非常に優しい上品な方でした。ご両親は、豆腐店を営み、委託の駅長を務めた、9人兄弟の大家族。
長男の干場一さんは、元北竜町役場助役。干場兀さんは、土地改良区に勤務し、早くに逝去。干場功さんは、これまで、全国組織の若年性認知症家族会・彩星の会 代表(2006年就任)、北竜町若年認知症家族会「空知ひまわり」代表を務められるなど、様々な社会福祉関連活動に広く貢献されています。
家族全員、社会貢献された方々の家系で北竜町に尽くされています。
現在も碧水地域の暮らしを守るセイコーマートへきすいが継続できるのは、干場正さんが退職金を第二の人生にかけて、地域を守りたいという熱い想いが心の中に強くあればこそできたのだと感じています。地域に貢献したいという、干場家の血筋だと思います。
セイコーマートへきすい
営業案内 06:00〜24:00
お惣菜コーナー
デザートコーナー
生活雑貨
セイコーマートのどら焼き
2個買うと、ほうじ茶ペットボトルをサービス!!!
セイコーマート50周年感謝祭(1971年〜2021年)に感謝をこめて。。。
地域の人々に支えられ、熱い想いで守り続けられているお店、地域の暮らしを守る、地域の貴重なお店「セイコーマート」に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。
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セイコーマートへきすい・チラシ【シュフー】
セイコーマートへきすい
北海道雨竜郡北竜町碧水6番地1
Tel:0164-34-3224
【開館時間】06:00~00:00
【定休日】年中無休
【駐車場】店舗前にあり
【参考ページ】セイコーマートへきすい
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子