2025年1月30日(木)
第17回B&G全国サミットが開催された翌日、1月23日(木)午前8時、北竜町・佐々木康宏 町長と田中佳樹 教育長が日本財団を訪れ、笹川陽平会長と面談されました。
日本財団・笹川陽平会長との対談:
ひまわり畑から始まる、心の豊かさの旅
日本財団・笹川陽平 会長はご多忙なスケジュールの中、朝8時から30分間の対談を快く引き受けてくださり、大変貴重な時間を頂戴いたしました。心より感謝申し上げます。
日本財団役員応接室(7F)での対談となりました。室内の壁には、笹川会長が中国の関係者から寄贈された立派な絵画が飾られていました。
1. ひまわりが結ぶ縁、ウクライナへの想い
佐々木町長は、北竜町の町おこしが、一面に広がる「ひまわりの里」であることを紹介しました。そのひまわりの光景に、笹川会長はウクライナの国旗との共通点を見出します。北竜町の風景が、ウクライナの国旗を思わせる青い空と黄色のひまわりで彩られていると語りました。
笹川会長は、ハンセン病制圧活動で世界を回る中で、ウクライナにも患者さんがいること、そして見渡す限りのひまわり畑が広がっていることを語り、ひまわりに心惹かれるのは偶然ではないかもしれないと、不思議な縁を感じていました。
笹川会長の著書の表紙にも、ウクライナのひまわり畑で佇む会長の姿が写し出されています。
2. 人口の多さだけではない、心豊かな町づくりとは
対談は、都会での慌ただしい生活だけが人生ではないという話題へ進みました。
笹川会長は、人口の多さではなく、住民が心豊かに暮らすことが重要だと述べ、町長を中心に、住民が一体となって楽しい町づくりを進めるべきだと語りました。佐々木町長もその意見に強く共感しました。
笹川会長は、町長が住民の声に耳を傾け、住民が一体となって理想の街づくりを力強く進めるリーダーシップの必要性を強調しました。佐々木町長は、身が引き締まる思いだったと語ります。
そして、今年の1月から「子どもたちのための街づくり」を共に進めるべく、特別な教育長を迎えたことを明かしました。
3. 失われた「子どもを大切にする心」を取り戻すために
笹川会長は、かつて日本が世界有数の「子どもを大切にする国」であったことに言及しました。貧しくとも、子どもたちは笑顔で輝いていました。
現代の教育は個性を潰し、子どもたちを傷つけてしまっている現状を指摘しました。不登校、障害、貧困といった問題に直面している子どもたちがいる現実、カレーライスを食べたことのない子どもがいるという事実に、危機感を覚えるべきだと訴えました。
学校の先生が保護者からのクレーム対応に追われ、本来の子どもの教育に時間を使えなくなっている現状に対し、町長のようなリーダーシップを持つ人々が、教育を最優先に行動すべきだと強く語りました。
佐々木町長は、深刻な状況であることを改めて認識しました。北竜町では、町のB&Gプールを隣町の雨竜町の子どもたちにも使ってもらうという画期的な取り組みが行われています。「隣町に無いなら、わが町のプールを使えばいい」という発想は、まさに地域での協力のあり方を示すものでした。
笹川会長は、学校単独で部活を維持することが困難になるこれからの時代において、地域での協力が不可欠だと語り、子どもたちを核に、親や地域住民が集い、豊かな会話が生まれる場所の必要性を説きました。
4. 地方創生は「心」で動く ~情熱と覚悟が未来を拓く~
笹川会長は、地方創生にはお金が不可欠だという考え方は誤解であり、最も大切なのは住民の「心」であると語りました。リーダーの情熱と覚悟があれば、人々は必ずついてくるという信念を示しました。
かつての貧しい村でも、子どもたちの教育は徹底されており、「お前はこの村の誇りだ」と教えられていたと述べ、地方創生の本質は、お金ではなく人の心にあることを強調しました。
笹川会長は毎朝6時半に出社し、寄付をくださった方全員へ手書きのお礼状を書いています。ふるさと納税のお礼状に印刷ではなく、町長が一言書き添えることの大切さを語り、気持ちを伝えることの重要性を説きました。
また、災害現場で働く人の写真をハガキに掲載し、感謝の言葉とサインを添えることで共感を呼ぶことができると語りました。そして、佐々木町長に対し、自分の考えを主張し、選挙のことばかりを考えずに、町長としての責任を果たし、力強く街づくりを進めることを求めました。佐々木町長は、その言葉を胸に刻んだようです。
5. リーダーの情熱と覚悟が全てを動かす
笹川会長は、「お金がないと何もできない」という考え方は間違いであり、農民や町民の心はお金がなくても掴むことができると断言しました。
リーダーの情熱と覚悟が、全てを動かすと力強く述べました。地方創生はお金がないからできないのではなく、人の心はお金で変えられないということを強調しました。かつては、お金がなくとも、国(町)の住民であることに誇りを持って生きていくように教えられていたと語りました。
6. 日本の「おむすび」の魅力
話題は北竜町の雪の多さから、雪解け水が良質なお米を育てる大切な水源となることへと移りました。
笹川会長は、戦後、アメリカ軍がパン食文化を広めた歴史を語り、日本の「おむすび」が世界的に注目を浴びている現状を述べ、日本のお米の再生を願いました。パンよりも米食の方が優れているという視点を示しました。
佐々木町長は、笹川会長の言葉が北竜町の子どもたちに届くことを願いました。笹川会長は、北竜町は町民みんなが大家族のようだと語りました。
7. 85歳でキリマンジャロ登頂成功
笹川会長の健康の秘訣は、毎日ストレッチをすること、そして毎日7階まで階段を使うことだと明かしました。継続することの重要性を強調し、人生を省略してはいけないと語りました。
去年2月にはキリマンジャロ(タンザニア・標高5,895m)に登頂したという驚くべきエピソードを語り、90歳にはエベレスト登頂を目指していると語ります。一回しかない人生を、楽しく愉快に、全力投球で生きるべきだと述べました。
死ぬ間際になって後悔する死に方はしたくないと語り、大体99%の人が反省して死んでいくという現状を指摘しました。佐々木町長は、その言葉に深く感銘を受けました。
「キリマンジャロ登頂に成功」 ―影に強力な助っ人あり― キリマンジャロ(5895メートル)登頂には強力な助っ人が二人い…
8. 教育改革は人材養成から始まる
日本発の本格的なオンライン大学「ZEN大学」
笹川会長は、教育改革は最終的に人材養成であると述べました。世界の一流大学への留学制度や、通信教育のZEN大学(日本財団と株式会社ドワンゴが提携した日本発の本格的なオンライン大学)の取り組みについて紹介し、好きなことを学ぶ教育の重要性を強調しました。
イノベーション・改革の必要性
日本は「改善・改良」は得意だが、「改革」が苦手な点を指摘し、「イノベーション」を思い切って行う必要性を述べました。人間は好きな分野で好きなことをして生きていけばいいと語りました。
9. まずは教師改革から
北竜町では、9年生義務教育学校に向けて動き出しています。
田中教育長は、北竜町の教育に携わるにあたり、まずは教師改革をしていきたいと述べました。先生方の意識を変えるための研修を計画していることを明かしました。
笹川会長は、昔は先生の家に遊びに行き、人間的に触れ合う中で先生を尊敬していたと語り、先生との人間的な触れ合いの大切さを説きました。
都会では難しいこの人間的な触れ合いを地方で実現し、たくましい子どもたちを育ててほしいと願いました。勉強ができなくたって良い、明るく素直な子どもに育つことが大切だと語りました。
佐々木町長は、教育長と共に「心のふるさとづくり」を目指していることを伝えました。
対談が終了し、佐々木町長と田中教育長は、笹川会長に感謝の言葉を述べました。
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纪念照
この対談は、地方自治体の未来を考える上で非常に示唆に富んでいました。
自然とともに生きること、人々とのつながりがもたらす豊かさ、そして教育の力で未来を切り開くことの重要性を改めて認識させられました。
町を超えた連携や助け合いの精神が日本全体を変えていく、大きな力となる笹川会長の偉大なるお言葉の数々に心から感謝いたします。素晴らしいお話をありがとうございました。
好きなことを楽しく自由に学んでいくこれからの教育改革の実践と、心豊かに楽しく全力投球していく笹川陽平会長の人生に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。
日本財団・事務所紹介
笹川会長との対談後、吉倉和宏 総務担当常務理事が、日本財団・事務所を案内してくださいました。吉倉 常務理事は、寺内昇が日本財団在職中、大変お世話になった部下で、今回の面談をアレンジしてくださいました。誠にありがとうございました。
公益財団法人 日本財団パラスポーツサポートセンター
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报道和撰稿:Ikuko Terauchi(摄影和编辑协助:Noboru Terauchi)。