2017年9月4日(月)
9月1日(金)午前9時より、真宗大谷派 恵沢山 清雲寺本堂にて、清雲寺開寺110周年を記念して、「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要」「清雲寺第五世住職襲職式」「清雲寺第五世住職襲職記念式典」が厳かに行なわれました。
清雲寺正面(撮影:2017年9月1日)
大規模修繕され綺麗になった清雲寺(北竜町岩村)
式次第
・午前9時〜 :宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要
・午前10時〜:清雲寺第五世住職襲職式
・午前11時〜:清雲寺第五世住職襲職記念式典
受付の様子
司会・近江博信様
100名程の方々がご参列
▶ 宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要
御遠忌法要には、真宗大谷派の地元11組の14ヶ寺のご住職に参勤いただき、清雲寺ご門徒の皆様、岩村町内会の皆様等、多数の関係者の方々にご参列いただきました。
地元11組の14ヶ寺ご住職ご参勤
本堂の様子
開始を知らせる梵鐘の音が響き渡ります。優美な笛の音が醸し出される中、ご住職の方々が次々に入席され、伽陀、仏説阿弥陀経、起立散華、念仏讃、和讃、回向などが粛々と続きます。第四世住職・典章様は、豪華絢爛な七条袈裟を身にまとい、厳粛にお勤めを営まれました。
第四世住職・典章様
豪華絢爛な七条袈裟
ご参勤されたご住職様の皆さん
ご参勤されたご住職様の皆さん
ご参勤されたご住職様の皆さん
お勤めの様子
お勤めの様子
法要の様子
ご焼香
会場の様子
▶ 清雲寺第五世住職襲職式
前住職から新住職へ継職される儀式です。第五世住職・智章様が敬白文を読誦され、願生偈、念仏讃、和讃、回向を厳格に唱え、しっかりと継承されました。
第五世住職・智章様
▶ 法話:布教使・相河朋昭 師(向陽寺・芦別市)
布教使・相河朋昭師(向陽寺・芦別市)
「人と人との関係性における、「信心」についてのお話です。人間に心にある3つの心「信心」「不信」「半信半疑」・・・人間の心には疑う心が存在するために、同じ一人の人間に対して、自分にとって都合がいいと信頼でき、自分に都合が悪いと不信感を持ちます。自分を取り巻く状況の変化によって、信頼感が疑う心に変わってしまいます。
「信心」についてのお話
仏法の中での信心は、疑う心が無いものであり、状況によって変化するものでもありません、と教えています。
そして、心のなかにある『濁り』・・・悲しみが濁れば愚痴になり、怒りも濁れば憎しみに変わっていきます。人と人とを結ぶ尊い縁の中でも、信心は濁りによって変わっていきます。
布教使・相河朋昭師(向陽寺・芦別市)
繰り返し唱える『南無阿弥陀仏』の言葉の中で、形のない仏の光に照らされた時、真の信心に深く触れた時、願生浄土の仏道の世界が開かれてきます」等、有り難い法話の数々を日常生活の様々な出来事に例えながら、丁寧にお話くださいました。
信じる心
▶ 清雲寺第五世住職職襲記念式典
▶ 開式の辞:特別委員会・道下甫 副委員長
特別委員会・道下甫 副委員長
真宗宗歌
▶ 辞令伝達:北海道教区第11組・水上尚澄 組長
辞令
第四世住職・垣原典章様
第五世住職・垣原智章様
▶ 式辞:特別委員会・北清方巳 委員長
特別委員会・北清方巳 委員長
「本日ここに真宗大谷派 恵沢山 清雲寺・開寺110年、並びに第五世住職襲職式を迎えて、真宗大谷派の地元11組の14ヶ寺をはじめ、町内外の関係の方々と清雲寺ご門徒の皆様、そして岩村町内会の皆様にこのように多数ご出席賜り、盛大な記念式を開催できますことは、誠に嬉しく、感謝に堪えない次第であります。
平成19年9月に清雲寺開教100年式典が盛大に開催されました。以来10年の歳月が経ちました。この度、第五世住職の誕生と同じ年に当たることから、本年の報恩講に合わせて、110年記念法典、並びに第五世住職襲職式を、そして少し遅れましたが、宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要も務めさせていただいたところです。
開寺100年の歴史は、並大抵のことでhないと思います。明治40年に美葉牛で説教所が開設されて以来、歴代総代長様を初め、役員の皆様の並々ならぬ努力が、今の清雲寺の現在があるものと考えます。
平成28年秋に第四世(典章)住職から住職交代の話が持ち出されました。この件について、役員会、総代会で相談いたしまして、この考え方について同意を戴き、平成29年1月14日に門徒会総会をはかり、皆様の同意を戴き、その準備をしてきたところであります。現(典章)住職は、平成2年から27年の長きに渡り清雲寺の発展に尽力され、門徒会員とのコミュニケーションを図りながら努力されてきました。ここに心より感謝と御礼を申し上げる次第であります。
本日より智章様には第五世住職として寺の発展に努力をいただくことでありますが、平成12年か旭川別院での16年の勤務を教訓にして、実務に精励され若さと行動力をもって職務について頂きたくお願い申し上げるとともに、ご期待いたして居るところであります。さらにこの行事に合わせて宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要も、実際より数年遅れて務めさせていただきましたことは、ご理科いただきたいと存じます。
以上の諸行事を進めるにあたり、記念事業も計画して実行させていただきました。門徒会員の皆様には、趣旨nご理解をいただき、応分のご寄附をいただき、お陰様で初期の目的が達成できましたこと、ここに改めて心より感謝と御礼を申し上げる次第であります。
今日の社会環境は、誠に厳しい時代となっておりますが、こうした時代こそ110年を機に原点にもどり、先人のご苦労を偲び、これからもお寺を拠り所として進めていきたいと考えております。
本日、ご出席いただきました皆様のご健勝でのご活躍と清雲寺の益々の発展をご祈念申し上げます」と、特別委員会委員長・清雲寺総代長・北清方巳 様よりお言葉をいただきました。
▶ 事業報告:総務・事業部・山本雅規 部長
今回の事業につき、事業内容・決算内容が、山本雅規 部長より報告されました。
総務・事業部・山本雅規 部長
▶ 挨拶:第四世住職・垣原典章様
第四世住職・垣原典章様
「宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要、そして清雲寺第五世住職襲職式にあたり、大勢の皆様にお集まり頂きました。
去年4月若住職が、16年間勤めた旭川別院を退職して本寺に戻りましたのを機に、住職襲職の決意をしました。皆様の多大なるご協力を得ながら、建物の修繕や法要式典を行うことができました。
私は40歳の頃に住職に就任し27年間勤めてまいりました。第五世住職も同じ年齢になりました。周りからは、まだ早いと言われましたが、早く世代を交代して頑張ってもらうことも必要なことだと思います。
昔のお寺は、学びの場・集会所・お葬式場として、様々な事業が行なわれていました。現在は、あまり使われなくなっているので残念に思います。世代が変わり、お寺に人々が集まって色んな催し物が行われるようになることを願っています。
今回の式典も160人~170人の人々が特別委員会を設立し実行していただきました。今後、人々が集まって事業を展開していく場所のひとつに、お寺が中心的な存在になっていければと思います。
いままでお世話になり、これからは世代が変わりますが、今後共よろしくお願いいたします」。
▶ 祝辞:但馬弘 宗務総長
真宗大谷派宗議会・金倉泰賢 議員により代読されました。
真宗大谷派宗議会・金倉泰賢 議員
「本日、茲に宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要が執り行われますことは、洵に慶びに堪えません。
懷えば、親鸞聖人は永い求道生活の中で法然上人と値遇され、師友の学びを通して三国七祖の教説に導かれて真実の教大無量寿経に出遇われました。そして煩悩具足の身のままに救われる念仏易行の一門に通入された感動を以って、顕浄土真実教行文類を著されました。
宗祖聖人が出遇われたその大無量寿経には、如来無蓋の大扉を以って三界を矜哀したもう世に出興したもう所以は、道教を光闡して群萌を拯い恵むに真実の利を以ってせんと欲してなりと説かれてあります。まことに真実の教えに値い真実の救済に遭うことは、無量億劫にも得難いことであります。
本願他力の大道がもし、聖人によって明らかにされることがなかったならば、私共の人生はどうなっていたでしょうか。まさに宗祖の遺された言葉の一言一句が、無明長夜の灯炬として私達を導き続けてくださったのであります。
親鸞聖人と対面し聞法求道に励み続けた歩みこそ、真宗門徒の伝統であり、帰命無量寿如来から始まる歓喜の歌 正信念仏偈を朝夕勤めてきた姿こそ真宗門徒の証しであります。
ここに真宗同朋会運動を表現すつ御仏事として厳修されました。その千載一隅の法縁に遇い得た私達一人ひとりの責任と使命として、新しい交わりを成就する仏法を基とする社会の実現に向け、今後とも帰依三宝の内実をいよいよ確かめてまいらなければなりません。
願わくば、このたびの御遠忌法要に遇う機縁となり、また聖人のみ教えをあらためてこの身に聞き開き願生浄土に生きんとする御同明の交わりの場となりますよう説に念願しお祝いの言葉といたします。
2017年9月1日 宗務総長 但馬弘」。
▶ 祝辞:北海道教区第11組・水上尚澄 組長
北海道教区第11組・水上尚澄 組長
「清雲寺が今日まで110年に渡り継承されてきましたことに、新たな歴史が刻まれたこと、大変喜ばしく心よりお祝い申し上げます。垣原典章様には、平成2年に第四世住職に就任され、以来今日まで27年間住職として勤められました。その間、平成9年は清雲寺開教100周年法要を行い、合わせて本堂の改修、仏具の修復、施設の整備充実にご尽力されました。
私ども11組におきましても、平成14年より3期の永きに渡り第11組組長として、運営にご尽力賜りました。組長解任後、平成26年より3ヵ年査察員として様々な面でご指導いただきました。今日まで賜りました数々のご教導に私の立場より、心より厚く御礼申し上げます。
尚、住職を交代されましたが、『人生に余生なし。一生現役』と言われましように、この後も培われました豊かな経験を持ちまして、私どものご支援ご指導賜りますよう、よろしくお願いいたします。
この度、新住職になられました智章様には、長年旭川別院において勤務され、職務を通じて僧侶としての研鑽を積まれる中、別院においても重要な立場として勤務されておられたことと思います。今後は、別院の経験を貴重な糧として、皆様とともどもに交流にご精進されますことをご祈念申し上げます。若いエネルギーを私共の11組にも賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
終わりに、この度の清雲寺様の住職もご健勝、ご当院が道場として益々のご豊栄されますことをご祈念申し上げます」。
▶ 祝辞:北竜町・佐野豊 町長
北竜町・佐野豊 町長
「清雲寺開寺110年並びに第五世住職襲職記念法要・記念式典が本日、ここに挙行されるにあたり、一言お祝い申し上げます。
顧みますと、清雲寺様は明治41年、三谷に法光寺を開いた義盛清雲氏が美葉牛に説教所を開設し、布教活動を始められました。その後、この岩村の地に移転寺号公称され、垣原住職とのご縁により、一歩一歩ご努力を積み重ねて来られ、110年の隆盛を経て、今日では多くの檀家を有するに及ぶ寺門となりました。
この発展は、歴代住職を始め、寺族・総代・檀家各位の多大なるご尽力の賜物であり、そのご労苦に対し、心から敬意を表する次第であります。
本町も明治26年、開拓の祖である千葉県人が入植してから125年の歳月が経過しましたが、この間多くの先人たちは、厳しい自然条件と闘いながら開拓に心血を注がれ、清雲寺様の先人御信徒様にも、住み慣れた故郷を後に親類知人とも別れ、当町に移住して日夜、鍬をふるい、その苦痛は肉体的にも精神的にも想像を絶するものがあったと推測をいたします。
しかし、その苦難の中にあって、念仏の教えをその生活の帰依として、郷土発展のためにご尽瘁される一方、常に仏法興隆に意を注がれたご努力には、心から敬服を申し上げる次第であります。
清雲寺様には、この110年を記念して、本堂の壁・屋根の塗装、庫裏の一部改修等の記念事業を完了されるとともに、先代典章住職様には多岐に渡り、寺門発展に多大なる力を発揮され、盤石な礎を築かれ、この程智章様に後継を託されましたことに、心よりお祝い申し上げます。
新たに第五世住職を継がれました智章様におかれましては、清雲寺様のさらなる発展のため、ご活躍を期待申し上げる次第であります。
結びに、本日の記念法要・記念式典開催にあたり、ご尽力を頂きました関係各位の皆様に改めて敬意と感謝を申し上げますとともに、清雲寺様の益々のご発展と本日ご出席の皆様のご健勝を心からご祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。本日はおめでとうございます」。
▶ 謝辞:第五世住職・垣原智章 様
第五世住職・垣原智章 様
「親鸞聖人のお言葉にある『自信教人信』という言葉は、自ら信じ、人に教えていくという信じる心を意味します。
私は、自ら信じることに、いまだ止まっています。まだ信じられない部分が多いのです。できないことが多いのです。今後皆様方に助けていただきながら清雲寺を背負って、頑張っていきたいと思います。よろしくお願いいたします」。
▶ 閉式の辞:清雲寺・干場一 顧問
清雲寺・干場一 顧問
▶恩徳讃
皆で心合わせ「恩徳讃」を唱和し、終了となりました。
「恩徳讃」を唱和
荘厳なる御遠忌法要の中で、継承されていくご住職の営み、
報恩謝徳の心懐き、心合わせて、真の信心を広げ、伝えていく仏の世界に、
大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。
記念撮影
宗祖親鸞聖人
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子