2016年10月11日(火)
10月8日(土)、曇りがちの空に、時折雨がちらつく中、北竜町では稲刈りが終盤を迎えた頃。
みのりっち北竜(農畜産物直売所)前駐車場の会場では、「新米まつり」が開催され大盛況!
たくさんの方々が訪れ、北竜町産新米の極上の美味しさを存分に堪能しました。
同日、(株)シィービーツアーズ主催のバスツアー「北竜町長が語る・食べものはいのち(生命)を学ぶ~そして新十津川へ~」が開催されました。このバスツアーは、北海道空知魅力発信事業としての「空知地域周遊バスによるツアー検証事業(北海道空知総合振興局委託事業)」です。
北竜町・国民の命と健康と守るひまわりの町
今回のツアーは、北竜町長 & 新十津川町長が町の魅力を語り、両町の特産品を堪能する日帰りバスツアー。
特別に(株)シィービーツアーズ・戎谷侑男(えびすたに ゆきお)代表取締役社長が添乗されました。
(株)シィービーツアーズ・戎谷侑男(えびすたに ゆきお)代表取締役社長
中央バス札幌ターミナルを出発し、岩見沢バスターミナル、そして佐野町長がお出迎えする砂川ハイウェイオアシスへ。
佐野豊 町長をお出迎え
砂川ハイウェイオアシスにて
ここから佐野町長が乗車され、北竜町の魅力をたっぷりと語ります。北竜町役場から3名の若手職員も参加!
小野晃典さん(岩見沢市出身)、手嶋啓太さん(江別市出身)、石井隆裕さん(旭川市出身)です。
北竜町役場の若手職員:右より小野晃典さん、手嶋啓太さん、石井隆裕さん
▶ 北竜町佐野豊町長 お話
「今日は、新米まつりのできたてホヤホヤの新米、そして北竜町産新そばをじっくりと味わっていただきたいと思います。また幻の黒千石大豆の収穫体験もございますので、お楽しみください。
お配りした資料をご覧いただきながら、北竜町の歴史と概要を説明させて頂きます。今回のツアーには、留萌消防組合消防署消防長をしていた同級生も参加しています。15年~16年ぶりの再会で嬉しい限りです。
また黄倉良二氏(前きたそらち農業協同組合代表理事組合長)の講演会「食べものはいのち(生命)」もありますので、ご期待ください」と、佐野町長。
北竜町に到着するまでの約40分間、北竜町の歴史、概要(気候、人口、特産品)、国民の生命と健康を守る安全な食糧生産の町・ひまわりライス栽培の取り組み、ひまわりによる町づくり、今年30周年を迎えたひまわりまつりの新たなイベントの取り組みなどについて、丁寧でわかりやすいお話。時間もピッタリで、見事なガイドでした。
北竜町・佐野豊 町長
資料を元にガイドされる佐野町長
満席の車内
途中、北竜ひまわりICにて、NHK滝川支局・越後弘 記者が同乗。
深川留萌自動車道の「北竜ひまわりインターチェンジ」
NHK滝川支局・越後弘記者
▶ 黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長
北竜町到着後、美葉牛地区・伊藤博章さんの黒千石大豆圃場でお出迎えしたのは、黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長。
美葉牛地区・伊藤博章さんの黒千石大豆圃場にて
黒千石事業協同組合・高田幸男 理事長
高田理事長の説明を受けながら、鎌で手刈りの収穫体験。茎が硬くて想像以上に大変!
高田さんが用意された、塩ゆで黒千石大豆の枝豆を試食して「ちっちゃい枝豆だねぇ~、塩味がきいて美味しい~」と皆さんご満悦!
黒千石大豆の収穫体験
黒千石大豆の枝は思ったり固いね
真っ黒な黒千石大豆の鞘
塩ゆでされた黒千石大豆枝豆
▶ 北竜町内観光
収穫後は、バスで、ひまわりの里等、北竜町内をぐるりと周遊。ガイドは佐野豊 町長!
ひまわりの里を見学・満開のひまわりを想像しながら
▶ 新米まつりに参加
いよいよ新米まつり会場へ到着!会場は北竜町農畜産物直売所みのりっち北竜前駐車場。
サンフラワーパーク北竜温泉
北竜町役場企画振興課・長谷牧子 係長より、新そば&新米ごはんの引換券が配布されました。
北竜町役場企画振興課・長谷牧子 係長
午前10時からスタートした新米まつりは、開始から1時間でゆめぴりかの新米、もち米、発芽玄米が完売してしまうほどの大・大・大盛況!!!
11時過ぎにバスが到着した頃には、無料配布されたジンギスカンも売り切れ状態!
そば食楽部北竜の有段者の皆さんによる手打ち新そばと新米ご飯をじっくりと堪能しました。
新米まつり(直売所みのりっち北竜前)
新そば(北竜町そば食楽部の手打ち)
新そば&炊きたて新米(おぼろづき)
▶ ショッピング
みのりっち北竜で野菜&果物を、サンフラワーパーク北竜温泉ショップでお土産選びのエンジョイタイム ♬
メロン@直売所みのりっち北竜
新米&北竜町特産品がずらり(サンフラワーパーク北竜温泉ショップ)
▶ 黄倉良二氏講演「食べものはいのち(生命)」
その後、サンフラワーパーク北竜温泉2階会議室にて、黄倉良二氏(前きたそらち農業協同組合代表理事組合長)の講演会「食べものはいのち(生命)」が開催。生命宿る食べものを栽培する農業者の熱い想いが語られました。
<佐野町長より黄倉良二氏のご紹介>
「きたそらち農業協同組合代表理事組合長を歴任された黄倉良二氏は、安心安全な食べものを消費者に届けたいという「食べものはいのち」の精神を日本中に伝え講演されている方です。農業が専門ですが、若い頃は、マラソンなどのスポーツと通じて、先頭に立ってスポーツ宣言をして活躍された素晴らしい方です」と、黄倉良二さんをご紹介されました。
黄倉良二氏講演「食べ物はいのち(生命)」
<黄倉良二氏のお話>
黄倉良二氏は、昭和14年6月1日生まれ、数えの78歳。11人家族であった家が倒産。6人兄弟の次男坊であった良二さんに投げかけられた「かあちゃんは、良が残ってくれなければ、死ぬしかない」という母親の言葉で、農家を継ぐことを決意。
現在は、4代目となる黄倉良二さんの息子さんご夫婦が、全15haの圃場の4割を有機農業で受け継いでいらっしゃいます。
農家が倒産したときに保証人になってくださった、当時組合長の後藤三男八さんの教え「農業の興降なくして食糧なく、桑を育てなくして衣服なし」、生涯指針となる後藤三男八さんの生き様、「食べものはいのち(生命)」の魂についてなど、様々な視点から「手と、技術と、心をつくし」て、生命をかけて農業に向き合う、農民の心を熱く語って戴きました。
講演会模様(サンフラワーパーク北竜温泉)
黄倉良二氏(前きたそらち農業協同組合代表理事組合長)
「不農無糧 不桑無衣:農業の興隆なくして食糧なし 桑を育てなくして衣料なし」後藤三男八 翁のお言葉
▶ 北竜町特産品のお土産
お土産は、北竜町産新米ひまわりライス、黒千石大豆加工品(黒千石きな粉・黒千石ドライパック・黒千石フレーク)、黒千石大豆枝豆。
さらに、佐野町長ご配慮により、みのりっち北竜で自ら購入された「笹団子」が配られました。
「ジンギスカンが行き届かなかったお詫びに、北竜町のお母さんたちの手作りの笹団子です。毎週土曜日に手作りしている、北竜町自慢の美味しい笹団子を帰りのバスの中で味わってみてください!」と佐野町長。
当日のお土産
「出来たてもっちりの笹団子は、とってもおいしいねぇ~」と皆さんバスの移動中に戴き、大満足♡
笹団子を紹介する戎谷社長
出来たての手作り「笹団子」
▶ 新十津川町・熊田義信 町長 へバトンタッチ
ここで、ガイド役が、北竜町・佐野豊 町長から新十津川町・熊田義信 町長 へとバトンタッチ!
北竜町・佐野豊 町長から新十津川町・熊田義信 町長 へとバトンタッチ
左より:熊田義信 町長、佐野豊 町長、戎谷侑男 社長
新十津川町へと向かうバスの中では、熊田町長が、新十津川町についての歴史や魅力をアピール!
新十津川町・熊田義信 町長
▶新十津川町・熊田義信 町長のお話
奈良県吉野郡十津川郷から北海道へわたり開拓をした、類まれな新十津川町の歴史についてのお話です。
「明治22年に襲った集中豪雨、奈良県吉野郡十津川郷で大水害により、生活の場を失った人々が、新天地を求めて北海道へ。3日間続いた大水害による1,300mの雨量は、北海道では約1年間に降る雨量に相当するもの。
他の地域へ移住候補はあったものの、明治に入り北海道の開拓時代となり、屯田兵も入り道路整備がなされようとした時代だったため、北海道への移住が決定。当時600戸2,489人の大移動でした。
新十津川村移住当時の区画図(新十津川町開拓記念館 展示)
十津川村は、1,300年前に起きた古代史上最大の内乱「壬申の乱」より、十津川郷士として、天皇に仕えてきた村。村民全員が士族になり、明治の地租改正まで減免措置を受けたとされ、国の防人として、国の警備をする役割を担っていました。
8月に災害を受け、1ヶ月後の早い段階で、北海道への移住を決定。10月には十津川村を出発し、11月には滝川の屯田兵奥に到着。開拓がどんなに困難なものであろうと、天皇を守り続けた郷士の十津川魂が、受け継がれ、開墾に励んだと言われています。
毎年6月20日に行われている新十津川町の開町記念式典では、奈良県の十津川村・村長や村議会議長が新十津川町に赴き、その際、奈良県知事の告諭を新十津川町・副町長が代読します。
「先人の方々が艱難辛苦を乗り越えて切り開いた新十津川の精神を忘れてはならない」ということを現在、未来に繋げていこうというものです。
新十津川町は、十津川村を「母なる村・母村」と呼び、親子関係の深い繋がりのある村として交流を深めています。
奈良県知事の告諭(新十津川町開拓記念館 展示)
開墾を試みた600戸すべての移民が署名捺印をして「移民誓約書」に固い契を交わしました。
どんなに苦しいことがあっても「一致団結」「艱難辛苦」「質実剛健」の3つが「十津川魂」。開墾にくじけることは「十津川郷士」の恥となると肝に銘じなら、開墾に励んだと言われています。北海道の厳寒さの中での開墾は、想像を絶するものだったに違いありません。
誓約書・新得河村(新十津川町開拓記念館所蔵)
現在の新十津川町は、特Aがつくほどの美味しい米処の産地となっています。ピンネシリの山、徳富(トップ)川の清水、用水等の圃場整備が整っていることが要因とされています。
これから金滴酒造(株)を訪問しますが、新十津川町は、北海道で酒米生産日本一の町。北海道の3分の1以上が新十津川町で作られています。酒米の生産地は、米処の中の米処でないとできないとされています。新十津川町の自慢のお酒は「金滴吟風」「きたしずく」「金滴彗星」等色々。
当時の新十津川村の契約書には、記念日や祝日を除き、「会席酒宴ヲ為(な)スベカラズ」など断酒することを誓い、原野の開墾に邁進したと記されています。その後16年の月日が経過し、一定の開墾がすすんだので、自分達のお酒は自分達で作ろうと決意。酒作りがはじまり、北海道酒造業界初の法人組織となる金滴酒造(株)が設立されました。
金滴酒造(株)
「金滴」は、お祝い酒の金の雫として長く愛されているお酒です。
金滴酒造は今年110年の歴史を迎えます。今年7月にはJALのファーストクラスで「金滴」のお酒が使われ、さらに今年北海道新幹線のグランクラスで純米吟醸「金滴」のお酒が提供されています。北海道新幹線の旅の際には、是非、グランクラスで「金滴」のお酒と美味しいものを楽しんで戴きたいと思います。海外でも「金・ゴールド」の言葉からなる日本酒「金滴」が大変喜ばれ、世界に広がっています」と、熱心に語る熊田町長。
情感たっぷりのガイド
▶ 金滴酒造(株)
金滴酒造(株)では、名取重和 営業部長がお話され、数種類のお酒を試飲!
金滴酒造(株)正面
酒造中につき入室不可
金滴酒造(株)名取重和 営業部長のお話
金滴酒造を見守る神棚・一刀彫のえびす様・金庫
▶ 新十津川町開拓記念館
そして新十津川町開拓記念館へと。。。
新十津川町開拓記念館・正面
新十津川町開拓記念館・館内
菱十字:北海道新十津川町の町章・奈良県十津川村の村章は同紋
新十津川町開拓記念館・館内
▶ 北竜町役場の若者たちがご挨拶
最後の締めくくりは、佐野町長に代わって、北竜町役場の若者たちが、皆様への感謝のご挨拶!!!
「今日は、中空知北空知の旅を皆さんに楽しんでいただきました。夏にはひまわりまつりが開催されますので、是非お越しください。今日はありがとうございました」と、小野晃典さん。
北竜町役場の若者たちが、皆様への感謝のご挨拶
熊田義信 町長、北竜町若手職員のお見送り
バスは、「道の駅みかさ」で休憩し、岩見沢バスターミナル、そして中央バス札幌ターミナルへと向いました。
岩見沢バスターミナルを出発
町長が熱く語る町の魅力を知り、
その町自慢の特産品を思う存分堪能できる、
楽しくて感動的なバスツアーに
大いなる尊敬と感謝と祈りをこめて。。。
深川留萌自動車道にて
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子