第30回豊作と交通安全を祈願する北竜町「元旦マラソン」2013

2013/01/01 20:46 に 寺内昇 が投稿   [ 2020/01/03 20:30 に更新しました ]
2013年1月2日(水)

1月1日(火)、雪が降りしきる中、新しい年が明けました。

謹賀新年 明けましておめでとうございます


真竜神社(北竜町) 
真竜神社(北竜町)  (撮影:2013年1月1日)


初詣

今年は巳年。「蛇」は脱皮をすることから「復活と再生」を表します。まさに、種が蒔かれ、新芽が育ち始めるスタートの年です。

北竜町では、体育協会(澤田正人 会長)主催の「第30回元旦マラソン」が行なわれました。 1984年(昭和59年)にスタートした「元旦マラソン」は、今年で30回を迎えます。

元旦の朝7時、真竜神社に老若男女およそ30人の町民が集まり、「豊作」「交通安全」を祈願して初詣。


初詣  記念撮影 
皆で初詣・真竜神社(北竜町)


元旦マラソン

その後、北竜消防の前に集合し、「交通安全」のたすきをかけて、一斉にスタートです。
3kmまでのコースを各自それぞれ、体調に合わせて走ったり、歩いたり、自由に折り返します。
シンシンと降り続ける雪の中を、皆さん、それぞれに熱い想いを胸に秘め、黙々と走り抜けていきました。
沼田警察署和駐在所からは、パトカーが出動され、交通安全のために伴走します。


スタート  マイペース  パトカーが伴走して安全確保  パトカーが伴走して安全確保 
雪の中をマイペースで元旦マラソン・パトカーも伴走


マラソン終了後は、北竜消防(深川消防署北竜支署)の2階で恒例の新年会。美味しいお雑煮と美味しいお酒、お菓子とお茶でお祝いです。

お雑煮のお餅は、JAきたそらち前組合長の黄倉良二さんが、奥様と一緒に、その年収穫したもち米を杵でつかれたという貴重なお餅。30年前の第1回目から欠かさず提供してくださっているそうです。 
参加されたお母さん方の手作りお雑煮は、あったかくて、とっても優しい味わい。
こんなに美味しいお餅とお雑煮をいただけるなんて、実にしあわせいっぱい。ありがとうございます。

藤崎正雄さんの司会で、体育協会・澤田正人 会長、佐野豊 町長、北竜土地改良区・金山信幸 理事長、北竜町教育委員会・高田敏幸 委員長からのご挨拶と続きます。

体育協会・澤田正人 会長のご挨拶

「今年の町民体育大会が60回目、そして元旦マラソンは30回目を迎えます。これからも皆さんのご協力を戴きながら、良い大会を続けてまいりたいと思います。この1年の皆様のご健勝とご多幸をお祈りし、良い1年となりますようご祈念申し上げます」

佐野豊 町長のご挨拶

「今年は、30回という記念すべき会となりました。第1回から欠席することなく参加させていただいております。この会は、豊作祈願、交通安全祈願を主旨とします。北竜町は、今年もおいしいお米が生産され、また、交通事故死ゼロが今日で2070日の記録を伸ばし続けております。今年も豊作と交通安全、そして皆様の健康を心よりご祈願いたします」

北竜土地改良区・金山信幸 理事長のご挨拶

「夜中の初詣、朝7時の神社参拝、午後からの町内会新年会など、一昼夜で3回も4回も飲み会をやっております。継続は力なりと申します。1年365日、決して酒を断つことなく、頑張ってまいります。
豊かな力のある水が、田園を潤しながら、豊作となることをご祈念いたします」

北竜町教育委員会・高田敏幸 委員長のご挨拶

「毎年、楽しみに参加している元旦マラソンです。元旦マラソンでは、米田先生を始めとするマラソン仲間の方々や、昔のお嬢さんの方々とも、いろいろお話ができ、嬉しく思っております。二度あることは三度あるように、今年もまた豊作となり、元旦マラソンの御利益がありますように祈っております。 しかし、柳の下にいつもドジョウ(※)がいないとありますように、今年一年、柳の下にドジョウがでるか、何がでるかを楽しみにいたしております。今年もどうぞ宜しくお願いいたします」(※ 参照

黄倉良二さんによる乾杯の音頭

「今年は3つの祈願をいたしました。豊作祈願、交通安全祈願、そして、佐野町長と奥様が健康で町が発展することを祈願いたしました。お互いに健康に祈念して頑張りましょう。乾杯!!!」

この後、北竜町のスーパー鉄人米田穣先生が、ハーモニカ演奏で「お正月」を披露されました。

「この歌を毎年お正月に歌って、84歳になりました。北竜町の美味しいお米、美味しい水、美味しいお酒をお正月に戴けることをとても嬉しく思います。今年は私の年で巳年です。毎日走ったり、歩いたり、泳いだり、これからも元気に過ごしていきたいと思います。ありがとうございます」


美味しいお雑煮、美味しいお酒、楽しい会話で心があったかく包まれていきます。


佐野豊町長ご挨拶   お母さん手作りのお雑煮   乾杯! 
マラソン後の新年会@北竜消防2階


「元旦マラソン」は稲作への熱い想いが起源

「この元旦マラソンは、稲作への熱い想いが源となってスタートしたものなんですよ」

と黄倉良二さんが、「元旦マラソン」の事のはじまりを熱く語ってくださいました。

30年前の1973年(昭和58年)10月上旬、稲刈りの真っ最中に、襲いかかってきた大雪。
稲の収穫は6~7割しか終了しておらず、3~4割の稲が、雪の重さで倒れて埋もれてしまいました。
当時の稲刈り機の性能では、雪で倒された稲はうまく収穫することができなかったのです。

雪をかき分けながら、町民みんなで協力して続けられた「稲起こし」。
農家が生命がけで育てたお米のことを思うと、悔しくて、悲しくて、胸を引き裂かれるような思いで、泣きながら行った「稲起こし」なのです。

こうした状況をなんとか克服したい、そして稲刈りが無事終わるよう天の力をお借りしようと、元旦に、鎮守の森である神社へお参りを決意した仲間達が立ち上がりました。
豊作祈願への熱い想いは、お参りだけに留まらず、雪の中を走り、厳しい寒さの中に身を置くことで祈願を成就したいという行動に繋がっていきました。

生命がけで育てた稲たちへの想い、「復活・再生」へ力強い祈りが、今日まで伝えられ、この瞬間に繋がっていることを実感しました。


記念撮影 
皆一緒に想いを込めて・記念撮影


自然の脅威に立ち向かっていく、力強い人間の魂、

あきらめず、逃げることなく、前進していく偉大なる勇気、

壮絶なる自然の力をも乗り越えていくことのできる、人間の測り知れない精神に、

大いなる尊敬と感謝と祈りをこめて。。。


第30回北竜町元旦マラソン2013 
第30回北竜町元旦マラソン2013


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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子