2017年7月7日(金)
美瑛のなだらかな丘に佇む「フェルムラ・テール美瑛」。パン・洋菓子製造販売、レストランが一体となった総合施設です。株式会社ラ・テール(小林健太郎 代表取締役社長・東京都世田谷区)が経営する、ニュースタイルのファームフードガーデン。
フェルム ラ・テール美瑛(撮影:2017年5月27日)
パンや洋菓子・レストランの料理などは、地元自然素材を使い出来る限り添加物を使わない、こだわり抜かれた安全安心な商品の数々です。
そんな洋菓子に「黒千石ウィッチ・大地の奇跡」があります。
「黒千石のかのこ豆をホワイトチョコレートクリームに混ぜて、さらに黒千石のきな粉を層にし、美瑛町産の小麦粉で作ったクッキー生地にサンド。余市の名産品であるウィスキーで香り付けしました(パンフレットより引用)」。
黒千石ウィッチ・大地の奇跡(撮影:2017年5月27日)
フェルム ラ・テール美瑛は、毎週月曜日が定休日。
貴重な定休日にもかかわらず、細田俊二 専務をはじめフェルム ラ・テール美瑛のスタッフの方々は、お店に納めている生産者の方々の圃場を訪問されています。
生産者や職人の方々から様々なお話をお聞きして、その想いをしっかりと受け止めていらっしゃいます。その食材を使う度に、シェフ、パティシエ、スタッフの方々は、生産者の顔や想いが浮かんで来ることでしょう。
そうしたスタッフの皆さんの真剣で熱心な行動力に、私達はいつも感動しています。
2017年6月1日のオープンからこれまでのフェルム ラ・テールさん皆さんの訪問先は、東川町の平田豆腐店さん、ファームズ千代田さん、小麦生産者浦島さん、旭川の福居製餡所さんなどです。
7月3日(月)今回の訪問は、黒千石事業協同組合(高田幸男 理事長・北海道北竜町)。フェルムラテールの細田俊二 専務取締役をはじめ、木村卓博シェフ、永島定男パティシエ、キッチンスタッフの塚原満恵さん、4人のスタッフの方々が来町。
黒千石事業協同組合の工場見学、そして北竜町の圃場を見学され、ランチはサンフラワーパーク北竜温泉のレストラン風車にて、黒千石大豆を使った料理をじっくりと味わっていただきました。すべてのアテンド&説明は、高田 理事長です。
サンフラワーパーク北竜温泉に集合。ようこそ!北竜町へ
▶ 黒千石大豆工場見学
辻正昭 専務理事と名刺交換
黒千石事業協同組合の倉庫前
黒千石大豆のレクチャー
「黒千石は頭で覚えるより身体で覚えていただき、もう一度『食べたい・飲みたい』と、おかわりしていただきたいと思っています」と高田 理事長。
「黒千石大豆をお菓子に加工する場合、殻が硬くて使いづらいので、2016年7月には黒千石大豆を蒸した乾燥させた『ドラ イパック』が発売されました。柔らかくていろんなレシピに利用しやすく大変好評です」と、説明される高田 理事長。
和気あいあいのミーティング
艷やかな黒千石大豆
「最近では、黒千石大豆を粉にしたものは使いやすく、うどん・ラーメン・そばなどに使用する開発が進んでいます。生の粉だと雑菌などが付着して取り除きにくいので、一度熱をかけて蒸すなどして、殺菌して使用するこすることが多くなってきています」と高田 理事長。
工場では、袋詰の前の最終段階で、機械ではなく人の手によって、ピンセットで一粒一粒不良豆の選別が行われています。
最終段階での手による選別にビックリ
「生産地によって、入ってくる豆の状態が異なります。最後の確認は、人間の目で判断し、しっかりと確実に選別を行っています」と工場スタッフさんのお話。
こうした気の遠くなるような作業を毎日続けているスタッフの方々の尽心に感動する細田専務さん。
はじかれた不良豆を確認する細田専務
今、黒千石大豆から油(きれいな緑色)を絞るという案も持ち上がっているという話を聞きながら、「ゴマのようにペースト状にして、黒千石プリンができないかなぁ~」と色んなレシピが浮かんでくる永島定男パティシエ。
パティシエの永島定男さん(洋菓子部門開発部長)
「普通の大豆は、生臭さがあり生では食べれませんが、黒千石大豆は、生臭さが少ないので生でも食べれます」という高田理事長の説明に、生豆や、発芽納豆の原料となる発芽した黒千石大豆を試食される皆さん。
黒千石大豆は生でも食べられる!木村シェフもビックリ!
発芽した黒千石大豆。黒千石大豆の中身は緑色
▶ 圃場見学
元拓殖大学教授の三分一先生にお願いして品種改良された黒千石大豆の圃場を見学。
「新しい品種の豆は、『早生(わせ)』『倒伏しない』『収量が多い』という三拍子揃った生産者が喜ぶ豆です」と、誇らしげに語る高田理事長。
黒千石大豆の圃場見学(北竜町美葉牛地区)
生育中の黒千石大豆
黒千石大豆をパチリ
圃場で高田幸男理事長の説明を聞く
「生産者を大事にし、食べていただくお母さんたちに喜んでいただき、加工し使っていただける方々を大切にしていくこと。すべての皆さんに喜んでいただけることが私達の願いであり、長続きするポイントであると思います」と熱く語る高田 理事長。
熱く語る高田幸男 理事長
黒千石大豆の収穫は、毎年10月15日~20日前後だというお話を聞いて、「秋の収穫時期に再び訪れたいです」と黒千石大豆の豊作を願う細田専務です。
黒千石大豆の圃場の畦を彩るタンポポ
▶ 黒千石を使ったランチメニュー
サンフラワーパーク北竜温泉レストラン風車にて、北竜町ならではの黒千石を使ったランチをいただきました。
黒千石料理、どれも美味そうで悩む・・・@レストラン風車(サンフラワーパーク北竜温泉)
皆さん、黒千石大を豆使った豊富なメニューにびっくり!
黒ちゃんハンバーグ定食、黒千石うどんセット、黒竜味噌ラーメン、ひまわりポーク肉ラーメン、黒千石ざるラーメン、黒い野菜カレーなど、それぞれお好みで黒千石料理を堪能しました。
黒ちゃんハンバーグ定食
黒千石うどんセット
黒竜味噌ラーメン
ひまわりポーク肉ラーメン
黒千石ざるラーメン
黒い野菜カレー
美味しい黒千石料理をいただきながら、勤務の時間帯が異なるスタッフの皆さんのランチのまかない料理のお話、お菓子作りの苦労話、番組取材の裏話、これから迎える北海道の冬の過ごし方のお話等など、尽きることのない楽しいお話が続きました。
こうした貴重なお話をお伺いし、楽しいひとときを皆さんとご一緒させていただいたことを、心から感謝いたします。
ありがとうございました。
食事が終わっても話は尽きません
生産者、加工者(シェフ・パティシエ)、橋渡しをするプロデューサー(コーディネーター等)の方々の熱い想いが繋がり、共感し、大きく広がっていく瞬間に、限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。
北竜門をバックに記念撮影
竜が舞うサンフラワーパーク北竜温泉(寺内ドローン空撮:2017年6月28日)
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◆ 関連ページ
・黒千石事業協同組合 紹介ページ
・<Facebookページ> フェルム ラ・テール 美瑛 Ferme La Terre Biei
・<エンジョイ!北海道> フェルム ラ・テール 美瑛(美瑛町)で「美瑛ディナー」コースを堪能(2017年5月29日)
◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子