1日目(2)北竜町まちづくり意見交換会・北竜町をデザインで活性化するプロジェクト

2018/08/12 23:17 に 寺内昇 が投稿   [ 2019/08/29 22:23 に更新しました ]
2018年8月13日(月)

初日8月6日(月)の町内視察の後、19:00より、自由参加による町民との「北竜町まちづくり意見交換会」がサンフラワーパーク北泉温泉・多目的ルームにて行われました。


意見交換会の模様 
意見交換会の模様


 北竜町・高橋利昌 副町長のご挨拶

北竜町・高橋利昌 副町長 
北竜町・高橋利昌 副町長


「この度、鈴木先生のプロデュースにより、昨年、梅原先生に『あかるい農法 北海道 ひまわりの 北竜町』というロゴマークをデザインしていただきました。このロゴは、北竜町126年の歴史、町民の想い、北竜町農業の取り組みが凝縮されたデザインになっています。

そして新国立競技場設計に携わっていらっしゃる隈研吾 先生に北竜町立保育所の設計をしていただいております。加えて、大阪を中心に全国規模で460店舗の居酒屋を経営しておられますマルシェ(株)さんより、サンフラワーパーク北竜温泉にシェフを派遣していただいています。

北竜町が今後、継続的に発展するために、今後の北竜町民の夢や理想を語っていただきまして、10年後20年後も次の世代につなげる思いを実現するために、皆さんの前向きないろいろなお考えをお聞かせ願いたいと思います。

今日は、お越しいただいた皆様に北竜町の現場を見ていただきました。皆様に意見をいただき、隈研吾先生に、今後の北竜町の絵を描いていただきたいと思います。北竜町の未来に向けた共通認識を互い図っていきたいという趣旨で意見交換会を開催いたします」と、高橋副町長のお話です。


司会進行・鈴木輝隆氏

プロデューサー・鈴木輝隆 氏 
プロデューサー・鈴木輝隆 氏


「この町にお邪魔して31年になります。昨年からこの町のお手伝いができればと思い、北竜町の新しい考え方や、新しい方向性を考えております。今回、色々な方々に声をおかけました。北竜町の総合計画の中で、10年20年未来永劫北竜町が続くためのアイデアを考えていただきたいと思います。

そのために、全国展開されているマルシェさん、アサヒビールさん、全麺協の方々、秘湯を守る会の佐藤会長、レオス・キャピタルワークスさん、公認会計士の石川さんなど沢山の方々に来ていただきました。今日現場視察をして、率直な印象、感想などをお願いします。それをたたき台にしながら、来年度策定される総合計画に反映していくことができれば、夢や未来が見えてくるのではないかと思います」と、鈴木先生。


 マルシェ(株)谷垣雅之 取締役会長

マルシェ(株)谷垣雅之 取締役会長 
マルシェ(株)谷垣雅之 取締役会長


「灼熱の大阪から避難してまいりました谷垣です。マルシェの加藤社長、そして執行役員・商品営業部長の熨斗です。今、ひまわりライスを10店舗で使わせていただいております。大変好評です。

さらに北竜町様と絆を深めればと、ひとつの案を持ってまいりました。まずは、加藤社長からマルシェの会社概要を、そして熨斗から商品開発の取り組みについての話を簡潔にさせていただきます。最後に、私の方から、北竜町さまへの提案をさせていただきます」と、谷垣会長。


 マルシェ(株)加藤洋嗣 代表取締役社長

(株)マルシェ・加藤洋嗣 代表取締役社長 
マルシェ(株)加藤洋嗣 代表取締役社長


「私共は全国に460店舗、居酒屋を展開しています。経営理念として『心の診療所』を掲げています。『寂しい気持ちで来られてお客様を明るく送り出していこう、そして、明るい気持ちのお客様をもっと明るく送り出していこう』という精神を打ち出しています。

2016年にふるさと応援マルシェをやっていこうと旗揚げをして今年で3年目を迎えます。今年は、なお一層の『応援』というキーワードを元に、地域や人をどうやれば応援できるのか、具体的に『一緒に、wIth』でやるにはどうしたらよいのかを追求していきたいと思います。

食品産業は、効率化・生産力を高める方向に気持ちを囚われがちですが『地域の方々が一生懸命作られている商品を、お客様にどのようにしたら提供できるのか』を深く追求する意味をこめて大阪からやってきました。具体的な提案は、熨斗よりさせていただきます」と加藤社長。


 マルシェ(株)執行役員・商品営業部・熨斗和之 部長

(株)マルシェ執行役員・商品営業部・熨斗和之 部長 
マルシェ(株)執行役員・商品営業部・熨斗和之 部長


「2年半前に、北海道清里町で、鈴木先生とお逢いしました。地域の方々のためのお手伝いのために、私どもの460店舗のお店で販売させていただき、お客様の声を生産者の方にお届けすることが我々の使命だと感じてやっております。いままで9市町村の自治体の方々にご協力を戴きながら、26アイテムのメニューを販売することが決まりました。

2015年に北海道清里町で日本初の『じゃがいも焼酎』を販売し、この半年間で5万5千杯お客様に飲んでいただいたことが実績となりました。2016年に北海道フェアで清里焼酎を販売。さらに高知県の土佐うまいもんフェアで『鰹』『四万十柚子』『四万十ポーク』『四万十ぶしゅかん』の販売をさせていただきました。そして愛知フェアでは『内子町産じゃばら』『もち麦うどんなど』を販売しました。ドリンク『じゃばら』は10万杯販売。和歌山県すさみ町のイノブタ、鈴木先生のご紹介で八幡平のマッシュルームも販売することができました。半年で八幡平マッシュルーム3トンを販売。お客様に好評だったので、八幡平マッシュルームを使った餃子、クリームコロッケを作ることができたので、今年秋冬からの販売が決定しています。

愛媛県内子町の『和栗のペースト』を1年かけて開発し、和栗のアイスクリームやプリンをオリジナルメニューとして販売しています。さらにチャレンジ商品として、伊勢志摩の『あかもく(海藻)』を販売することができました。こうしたふるさと応援の中で、次の提案に繋げていきたいと思います」と、熨斗氏。


各地の特産品を使った商品開発 
各地の特産品を使った商品開発


 マルシェ(株)谷垣雅之 取締役会長

(株)マルシェ・谷垣雅之 取締役会長 
マルシェ(株)谷垣雅之 取締役会長


「ここ3年、鈴木先生よりご紹介いただき、我々が知らなかった色々な地域の本物の農産物や商品を知ることができました。はじめはテスト販売として進めてきましたが、ビックリするほどお客様の反応が高く、生産者の方々が真剣に作った本物の商品は、都会のお客様が望んでおられることを実感しております。

この度、北竜町とのご縁をいただきましたので、北竜町の皆様にご提案をさせていただきたいと思います。『焼きおにぎり革命』をひまわりライスで実施したいと考えております。焼きおにぎりは、マルシェのグランドメニューにもなっており、年間通してコンスタントに売れる商品です。しかし現状では、国産米という訴求しかできていないことが問題点になっています。

北竜町では、生産者の顔が見える、農薬をできるだけ使わない安心安全なお米の栽培を何十年も前から行っているということに感動してしました。このひまわりライスを使って焼きおにぎりを作り、お客様に喜んでいただくことができれば、三方良し、四方良しの素晴らしい結果が生み出せるのではないかと考えています。店舗では年間30万個売れておりますので、この焼きおにぎりの質を高めて磨いて、お客様に喜んでいただきたいと思います。

北竜町様と一緒に、どんな品種のお米が焼きおにぎりに合うのかという研究をさせていただきたいと思います。どんなタレが合うのか、どんな焼き方が合うのかなど色々研究を重ねてメニューに乗せていこうと考えています。販売実績を積みながら、来年には全店舗で取り扱えるようチャレンジしていきたいと思います。さらにテイクアウト用焼きおにぎりとして、冷めても美味しい焼きおにぎりを目指したいと考えています。

おにぎりは、生産者とお客様のご縁を結ぶという意味において「焼きおむすび」というネーミングでもいいかなと考えています。さらなる夢も広がっておりますので、今後共宜しくお願いいたします」と、谷垣会長。


THE 焼きおにぎり革命 
THE 焼きおにぎり革命


JAきたそらち・北清裕邦 北竜地区代表理事

JAきたそらち・北清裕邦 北竜地区代表理事 
JAきたそらち・北清裕邦 北竜地区代表理事


「ひまわりライスで焼きおむすびを作るのであれば、今『きたくりん』という北海道慣行農業の農薬を8割減した品種のお米があり、このお米の方が、消費者の皆さんにもインパクトが強いという気がしています。『きたくりん』は、『ななつぼし』と遜色ない食味となっております。実際に焼きおにぎりにしてみないとわかりませんが、ひとつの提案として、農薬8割カットのお米を使っていただければと思います」と、北清 地区代表理事。


司会進行・鈴木輝隆 氏 
司会進行・鈴木輝隆 氏


アサヒビール(株)福田浩則 支店長

アサヒビール(株)福田浩則 支店長 
アサヒビール(株)福田浩則 支店長


「私どもは、マルシェグループさまと提携させていただいており、そのご縁で参加させていただきました。

ひまわりの里をみせていただきましたが、商業施設は『見る・買う・遊ぶ・食べる』の4つが一体となってベースになると思っています。さらに、北竜町に来ないと味わえないというそれぞれの視点を持つことが必要かなと思います。ひまわりの夏以外の季節には、どんなものが楽しめるのかなという旅の目的です。

また、ひまわり油に関しては、ひまわり油を身近に感じるような商品開発ができたら良いのかなと思いました。北竜町といえばこれという名産品が打ち出せたらいいなあと感じました。遊ぶという視点では『そば打ち体験』など体感することがお客様にとって印象に残ることだと思います。家族を対象にするならば、北竜町ならではの遊びを生み出していくことが大事かなと思います。食べる視点では、ひまわりライスとひまわり油を使ったお料理などインパクトのある開発に取り組んでいけたらと思います。さらに、フルーツを使ったパフェなどインスタ映えするデザートは若い女性に人気なので、それを目当てに北竜町に足を運んでもらうこともできます」と、福田 支店長。


意見交換会場の様子 
意見交換会場の様子


(一社)全麺協・中谷信一 理事長

(一社)全麺協・中谷信一 理事長 
(一社)全麺協・中谷信一 理事長


「この度参加した、加藤憲 専務、藤間英雄 理事、山本良明 北海道支部長の御三方は、素人そば打ち段位認定制度の最高段位の5段位です。東京大学入学や世界遺産に匹敵するほどのハードルの高い段位です。北竜町にも五段位の方がいまして、今日の昼食のそばを打ってくれた中村尚一さんです。今日司会をされている副町長の高橋利昌さんも現在3段位です。実力は4段位ですが、あまりにも副町長の仕事が忙しくて受験ができないそうです。

私達は、地方の町のイベントや福祉施設に出向いて、皆さんに日本の中でも格式を伴ったそばの文化を伝えることを目的にそば打ちの指導を行っています。ほぼボランティアの活動で、そば道という理念・想いの中から伝説を重んじて、尚かつ生産者の気持ちも理解しながら、日本の和食の中でも代表的な物のひとつである手打ち蕎麦の文化を若い世代の人々に知っていただく。それだけではなくて、世界の中でも、和食の中で、これだけ素晴らしい文化があることを伝えたい。

昨年モンゴルへ行き、モンゴルと日本の『国交樹立45周年記念事業』にも参加しそばを打ちました。今年も、モンゴルの秋の大収穫祭で、是非日本伝統のそば祭りをやってほしいという要望があったので、準備を重ねています。モンゴルの要求は、日本人の格式として全身の衣装を整え、特に白足袋に雪駄(下駄)を身につけてほしいというものでした。

国内はもとより、海外にも進出しております。韓国ピョンチャンには50件の蕎麦屋産があります。またタスマニアでは、そばが栽培されて40年ぶりのお祭りにも参加してきました。

今日見せていただいた北竜町のひまわり畑は、ピョンチャンのそば畑に良く似ています。そこでのそば畑は、当たり一面、塩を撒いたような風景と言われ、さらに土日の夜はライトアップされ、気球が上がります。そば畑の中には歩道ができ、行灯など置かれライトアップされています。

今日は、実に素晴らしい風景を見せていただきました。地方が元気になるときは、花もだんごも必要かなと感じています。水田もあり、ひまわり畑、そば畑もあるという3つの風景が備わっている北竜町が、素晴らしい風景と美味しい食とともにデザインされ、発展することを願っています」と、中谷 理事長。


(一社)全麺協の皆さん 
(一社)全麺協の皆さん

そば食楽部北竜・中村尚一 会長(中央) 
そば食楽部北竜・中村尚一 会長(中央)


秘湯を守る会会長、乳頭温泉「鶴の湯」佐藤和志 代表取締役

秘湯を守る会・乳頭温泉「鶴の湯」・佐藤和志 会長 
秘湯を守る会会長・乳頭温泉「鶴の湯」佐藤和志 代表取締役


「今日北竜温泉に入らせていただきました。私達は、秘湯を守る会の山奥の温泉なので、自然の中にある温泉です。北竜温泉で残念だなと思ったことは、これだけ良い環境の中で、温泉に入って何かを感じられなかったのがもったいないと思います。露天風呂を囲む塀も本物の竹であれば、質感などから感じるものがあると思います。本来お風呂に入ると癒しを感じるものですが、その部分において、物足りなさを感じました」と、佐藤 会長


レオス・キャピタルワークス(株)栗岡大介 運用部シニア・アナリスト

レオス・キャピタルワークス(株)栗岡大介 運用部シニア・アナリスト 
レオス・キャピタルワークス(株)栗岡大介 運用部シニア・アナリスト


「東京で投資家として活動しています。日本の可能性に投資をしています。東京を離れて地域を回ると、未来に対して希望を抱いて日々活動されている方々がたくさんいらっしゃることに気づきました。東京以外の中小企業に投資することで、世界的にも注目を浴びるほどのリターンを出しています。今、ノルウェイの国民のお金をお預かりして運用を行っています。

地方を回っていて感じることは、地元の美味しい『もの』を『こと』として捉えることが重要だということです。ひまわり畑は『もの』ですが、人々は歩き回って、写真を撮るという『こと』をしています。皆さんが場所やサービスを物として捉えるのではなくて『こと』として捉えるといいのかなと思います。

しかし『こと』として捉えると、絶対に真似されます。もう一歩踏み込むのに必要なものが『人』です。人は真似できないし、AIが進んでも人を作るのは不可能です。人にフォーカスして、いかにこの町を愛することができるのかを突き詰める必要があります。

この町の自然に囲まれた環境の中にいる素晴らしい『人々』に焦点を当てていけば、世界中の人々が真似のできないアイデアが生まれると思います。北竜町という場所がローカルとグローバルを繋ぐハブのようなものになっていただけると、投資家として貢献できることが沢山あると思います」と、栗岡大介 運用部シニア・アナリスト。


レオス・キャピタルワークス(株)マーケティング広報部社長秘書・坂崎絢子 氏

レオス・キャピタルワークス(株)マーケティング広報部社長秘書・坂崎絢子 氏 
レオス・キャピタルワークス(株)マーケティング広報部社長秘書・坂崎絢子 氏


「前職は、出版社の編集をしておりました。その時の取材のご縁で様々な地域を回っています。旅雑誌で、全国の魅力的な地域を取材した経験があります。今日はじめて北竜を訪問しいろいろなことに感動しました。お米が美味しいことも魅力です。

キャピタルワークスにおいて『こと』と『人』にフォーカスすることを大事にしています。『あかるい農法』のキャッチフレーズが、北竜町の本質を表していると感じました。これを統一的視野で知っていただくための『こと』として、特別の『米体験』で何かができないかなと考えました。町外にファンを増やし、関係人口を増加させる意味で『米体験』ができるイベントの開催などが考えられると思います。

福島県でフードキャンプというイベントがあり、農家の畑で机を並べ綺麗なテーブルクロスを敷いて、ホテルのレストランのように素敵な空間を作り出していました。周りは畑で、有名なシェフが、前の畑の採れたての野菜で作った料理が提供されます。それに参加し感動し、その地域がとても好きになった経験があります。この北竜町でもそんなフードキャンプ的なことが実現できるのではないかと感じました。

もうひとつは、保育園の子どもたちを主役した農業体験ができればと考えました。『北竜町で育つと自然が好きで、明るい子になるよ』というような環境が作り出せればいいなと感じています。『森の幼稚園』という幼稚園が増えてきています。都会で過ごしている家族は、自然の中で子どもを育てることに憧れています。

この『米体験』と『森の幼稚園』的なふたつのことを長期的視野に入れて考えていけるかなと思いました。

ひまわり畑えを歩いていて思ったことですが、私はソフトクリームが大好きなので、旅先ではいつもソフトクリームの写真をインスタでアップしています。その時、地域の風景をバックにした写真を撮影したいのです。北竜町では、ひまわり畑をバックにソフトクリームを撮りたかったので、ソフトクリームをもってひまわり畑の見える場所まで走って移動しなければならず、大変でした。ひまわり畑が見える場所にソフトクリームの売店があればいいのになと思いました」と、坂崎さん。


公認会計士(東日本大震災事業者再生支援機構)石川直也氏(JAZY会計事務所 東京事務所長)

公認会計士(東日本大震災事業者再生支援機構)・石川直也氏(JAZY会計事務所 東京事務所長) 
公認会計士(東日本大震災事業者再生支援機構)・石川直也氏(JAZY会計事務所 東京事務所長)


「東京で公認会計士・税理士としてJAZY会計事務所で仕事をしています。札幌と北陸にも支店があります。グループのJAZY特許事務所で、デザイン・ロゴマークなどの商標登録などを行っています。

鈴木先生との出会いは、東日本大震災事業者再生支援機構という被災後を支援を行うために国が設立した組織があり、その仕事で鈴木先生との出逢いがありました。商売の再生における商談会でのフォローや会計士として、どんぶり勘定になっている会計を整えたり、資金繰りに関して助言させていただいたりしています。

今回、ひまわりの里を見せていただきましたが、35万人もの観光客が訪れているのに、あまりお金を落としていないように感じました。ひまわり観光センターの中でも、風景を見ながら食事したりできないし、メロンやスイカのデザートなどもないので、お金を落とすサービスが少し足りないのではないかと感じました。観光に来た方が、喜んでお金を落としていけるような施設作りやサービスの提供などできていければと思います」と、石川氏。


デザイナー・梅原真氏(梅原デザイン事務所主宰)

デザイナー・梅原真氏(梅原デザイン事務所主宰) 
デザイナー・梅原真氏(梅原デザイン事務所主宰)


「以前、ロゴマーク制作のために4回ほどこの町を訪れました。まず、お会いしたのが農業者の佐藤稔さんです。佐藤さんの農業の話は、大変な作業にもかかわらず素朴さと明るさが存在していました。そこにポイントがあると感じました。

お米で『生産情報公表農産物JAS規格』の取得においても、情報を公開しオープンにするということで明るい!
この町には、明るい町長、副町長の頭が明るい、明るい町民、明るい挨拶があります。明るいというのは、人の心を開放していくような言葉です。そして、明るい農村ではなく、明るい農法という意味において、北竜町の未来をひまわりに例えながら、明るく農業をやっていくという北竜町をデザインしました。

今日の感想としては、いろんなアイデアが浮かんできています。『こんなところにそば屋があったらええな』『隈さんがつくるそば屋はどんなそば屋になるんかな』等です。

さらに、今回感じたことは『デカイ企業から仕入れて、デカイ歴史のある居酒屋さんには、安全性の部分を示すことが大切だ』ということです。そこに北竜町という狭いエリアの安全な食をもってくることが重要だと思います。北竜町を応援する背景にあるものは、安全性の確保にあると思います。

食の原点は『米』にあり、ここの米は本当に美味しい。お米も五段、そしてそば打ちも5段という、五段が2つもあるのが北竜町です。観光において、食に光があたる良い要素が存在する町です。しかし、隈さんのそば屋が思い浮かんでも、この町で商売をする人の姿が浮かんで来ないのです。この町には商売気が感じられない。そこをどうするのかと実感しています」と、梅原先生。


北竜町ロゴ「あかるい農法 北海道 ひまわりの 北竜町」 
北竜町ロゴ「あかるい農法 北海道 ひまわりの 北竜町」


建築家・隈研吾 氏(隈研吾建築年設計事務所主宰・東京大学教授)

建築家・隈研吾 氏(隈研吾建築年設計事務所主宰・東京大学教授) 
建築家・隈研吾 氏(隈研吾建築年設計事務所主宰・東京大学教授)


「観光に興味があり建物は美術館など多く作っていますが、実は私自身ホテルが好きで、世界中でたくさん作っています。これからのホテルはカッコいいホテルが面白いと思っています。例えば『アマンリゾーツ(バリ島)』など、それまで有名ではなかったところに高級ホテルを作って有名になるという1980年代のホテル革命などがあります。

アマンリゾーツの創始者であるインドネシア人のエイドリアン・ゼッカー氏は、彼は日本の旅館の大ファン。アマンのイメージを変えたいということで、私達にタイのプーケット島のアマンの改装とタヒチのアマンの改装を依頼してきました。また『エースホテル京都』の建築デザインを監修します。アメリカ・シアトルにあるエースホテルの面白いところは、アマンがやってきた自然の中のイメージを参加型・体験型に変化させていること。単に宿泊するだけでなく、そこにアクティビティを添えて、地域のコミュニティーや周辺企業とのコラボレーションを図る新感覚の発信拠点となっていることです。

建築に対する今までの考え方が変化してきています。バブル的にお金を使うのではなくて、その場所の味をどうやって引き出すかがポイントになっています。アクティビティを重視し、若者が自由に好きな活動を引き出して楽しみ、その売上比率が増加しています。

北竜町では、そば打ち、米の収穫、おにぎりとかいろいろな面白い話がいっぱいありますが、それをひとつのパッケージ化してホテルと結びついて、そえぞれぶら下がっていると面白いかなと思います。建築が額縁になって、そえぞれがぶら下がっているとインスタ映えして時代の流れに乗っていくことも大切かなと思います。25年前に北竜町に来たときもホテルの絵を描いていて、未来への可能性が広がっていました」と、隈先生。


隈氏の意見に耳を傾ける 
隈氏の意見に耳を傾ける

活発な意見交換 
活発な意見交換


町民の方々の質問や意見

・栄養価の高いひまわりオイルの生かし方を教えてほしい

・建築予定されている保育園の木造の平らな屋根が豪雪に耐えられるどうか教えてほしい

・ひまわりの里から北竜温泉に続く道があると、ひまわりを見た後で、温泉にはいったり、レストランで食事をしたり、買い物をしたりして観光の活性化に繋がると思う。色んなのもが、バラバラになりすぎているように感じています


聞き入る参加者 
聞き入る参加者


「先ほど隈さんのお言葉にもありましたが、北竜町が一つのフレームの中で、個性豊かなそれぞれのものが、一つに繋がっていくと北竜町の魅力が磨かれていくのではないかと思います。今後、皆さんの意見を反映させながら、町民の方々との意見交換をさらに掘り下げていきたいと思います」と鈴木先生。


意見交換会を締める鈴木氏 
意見交換会を締める鈴木先生


この後、個々で質問などコミュニケーションタイムをもって、意見交換会が終了となりました。


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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子