有機栽培米の田植え・除草(有)田からもの(佐藤稔 代表)

2012/06/23 18:09 に 寺内昇 が投稿   [ 2012/10/05 1:48 に更新しました ]
2012年6月24日(日)

佐藤稔さんが代表をされている(有)田からもの の水田では、播種から1か月後の5月25日(金)、いよいよ田植えがスタート。そして、田植え開始から3週間後の6月16日(日)、除草作業が行なわれました。

佐藤稔さんは、我町が誇る「農業技術の匠」。2008年12月・農林水産省第1回「農業技術の匠」として選定されました。「農業技術の匠」とは、地域に普及し、地域活性化に繋がる農業技術を自ら開発・改良した日本中の農業者を対象に、農林水産省が選定するものです。

「除草剤に匹敵する代替技術で有機栽培米を作る」として高く評価されている佐藤さんの匠の技を、実際に拝見し、お話を伺うことができました。
この田植えや除草作業は、まさに佐藤稔さんならではの、農業技術の匠の技が発揮されます(参照記事)。


田植えを待つ苗
田植えを待つ苗 (撮影:2012年5月25日)


◆ 代かき作業

雑草の生育を遅らせるために、田植え前に代かき作業を2回行います。田植えの10日前に荒代かき、田植え前日に仕上げ代かき作業によって、雑草を土の中に練り込むのです。

この2回の代かきの作業は、土中の雑草の種子を埋没させるのに大きな効果を及ぼすもので、欠かすことのできない作業です。

◆ 田植え作業

・(有)田からもの の水田は全部で26ha(その内、有機栽培米の水田は0.64ha)。青々と茂った苗が次々と植え付けられていきます。田植え作業は、約1週間継続。

・ハウスで順調に育った育苗箱の苗たちは、乾燥しないように、田圃に入る前にたっぷりと水がかけられ、軽トラで運搬。田植えは、2チームに分かれて、役割分担された作業が、能率よく流れるようにこなされていきます。

・育苗箱が田植機に積み込まれ、ゆっくりと慎重に田植えが進められます。田植えと同時に肥料散布。機械による植え付け作業は真剣そのもの。ビンビン伝わってくる緊張感と熱気です。。

・圃場の状態によって、慎重に調整され、確実にしっかりと植え付けが行なわれていきます。

・田植え後の苗の活着(新根が発生して養分や水を十分に吸収できる状態)には、水温が大きく影響するので、水管理がきわめて重要とのことです。

・この時期、佐藤稔さんの農作業は、午前3時半~7時半の間。水田の水の管理に細心の注意が注がれます。

見渡す限りに広がる空が白み始め、太陽が輝き出す前に、その日のひと仕事を終えている佐藤さんです。


田植え作業    田植え作業
田植え作業 (撮影:2012年5月25日)


2チームに分かれて    2チームに分かれて
2チームに分かれて田植えが進みます


慎重でスピーディな作業    圃場の隅は、奥様の手による補植
左:慎重な作業  右:圃場の隅は、奥様の手による補植


◆ 除草作業

・田植え10日後に「ローター式除草機」で条間を攪拌して土を柔らかくし、株元まで除草していきます。このローター式除草機は、秋田県大潟村農協の開発で、1991年(平成3年)頃に導入されました。佐藤さんは、修理を重ね、今でも大切に使われています。

こうして、しっかりと土を柔らかくしておくことが、雑草の生育を抑制し、次回の除草作業の軽減に結びつけていくことができます。土壌を攪拌することで、有機栄養素が均等に行き渡ります。ガスを抜き、酸素を補充して地温を上げ、イネに活力を与えます

と、手間がかかる作業に、深いこだわりをもって、ひとつひとつ丁寧に取り組んでいらっしる佐藤さん。佐藤さんの農業に対する強い信念が感じられる一齣です。

・さらに、稲の根がしっかりしてきた時期に、ティラガモ除草機で、株間を除草。このティラガモ除草機の導入により、手取りの除草時間の大幅な圧縮につながっていきます。この立位乗用型ティラガモ除草機は、株間羽根輪が表土を攪拌して株間を除草していくもので、2006年(平成18年)頃導入。

・除草作業は、田植え後10日間くらいの間隔で、3回ほど機械除草が行なわれます。その間、およそ5人の出面(でめん)さんによる手取り除草が一日(8時間)。

常に田圃の状態をじっくり観察しながら、除草作業のタイミングを見逃さないことが、重要なポイントとなります」と力強い佐藤さんのお言葉。

農業は、毎年毎年が、新たな取り組みであり、一瞬一瞬が真剣そのものです。気を許すことはできません。自然との共存を図りながら、「労働」と「経営」と「研究」の全体構成が、上手くかみあってこそ、ひとつの農業が成り立っていくものです。農業は、実にやりがいのある、奥深い仕事です

と佐藤さんは、ひとつひとつの言葉を、じっくりと噛み締めながら語ってくださいました。


風にそよぐ稲
青々とした稲が風にそよぎます (撮影:2012年6月15日)


ロータリー式除草機    除草作業
ロータリー式除草機による除草・圃場の土の撹拌 (撮影:2012年6月16日)


(有)田からものと佐藤稔さん    除草後の爽やかそうな稲達
左:(有)田からものと佐藤稔さん  右:除草後の爽やかそうな稲達



偉大なる自然と共存しながら、命育む農業

労働・経営・研究の三拍子が一体となって成り立つ農業

体を使って行動し、頭を使って営み、心で学んでいく農業に

大いなる尊敬と感謝と祈りをこめて。。。


青と緑・北竜町の夏
青と緑・北竜町の夏


田植え・除草「(有)田からもの・佐藤稔 代表」  写真(49枚)はこちら


有限会社 田からもの(代表取締役社長 佐藤稔)
 北海道雨竜郡北竜町字惠岱別
 Tel・Fax:0164−34−3710


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◇ 撮影=寺内昇 取材・文=寺内郁子



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