2021年8月17日(火)
7月25日、フランスで開催された第32回マルセイユ国際映画祭で、杉田協士 監督『春原さんのうた』(主演・俳優:荒木知佳さん)が、インターナショナル・コンペティション部門でグランプリ、俳優賞(主演:荒木知佳)、観客賞の三冠を受賞されました。
日本映画としては、マルセイユ国際映画祭史上初のグランプリ受賞です。おめでとうございます!
『春原さんのうた』は今までかつてない新しい日本映画
映画『春原さんのうた』は、作家・歌人の東直子の第一歌集『春原さんのリコーダー』の表題歌を原作とする作品。
映画では、日常の何気ない出来事に流れる意識を感じ取ることによって、誰かを想い、寄り添うような、目に見えない感情的なものが表現されています。
グランプリ受賞となった杉田協士 監督『春原さんのうた』は、「謎と驚きに満ちた、今までかつてない新しい日本映画」であり、「カンヌとは真逆の先鋭性と仏映画産業に媚びない強い芸術的志向を持っているプログラム」として高い評価を受けています(槻舘南菜子氏記事より引用).
この映画は、国内では2022年新春、ポレポレ東中野(東京都中野区)で公開予定です。
荒木知佳さんの祖父母は北竜町在住
映画の主人公・沙知を演じた荒木知佳さんは、滝川市のご出身。ご両親はお二人とも学校の先生をされています。そして知佳さんの祖父母は、北竜町在住、山田孝雄さん・智恵子さんご夫妻です。
荒木知佳さんのお話
北空知新聞の取材に同席
今回、山田ご夫妻のご自宅での北空知新聞社・嶋厚志 記者の取材に同席させていただきました。嶋記者は、深川市の「ふかがわ市民劇団」に所属する名役者。現役役者ならではのインタビューとなりました。
近所にお住まいの佐野豊 町長もお祝いに駆けつけてくださいました。
荒木知佳さんプロフィール
滝川市出身(1995年7月18日生まれ・26歳)、滝川市立開西中学校、北海道滝川高等学校、多摩美術大学・美術学部演劇舞踊デザイン学科 卒業。
コロナ以前の映画のシナリオは北海道を舞台
「私はこれまで舞台中心で活動していて、映画に出演したのは初めてだったので、未だ受賞の実感が湧いていません。この映画のクランクインは去年2020年8月上旬。そこからスタートし、コロナ禍の影響で少人数でマスクをしながら、東京都内で撮影が行われました。
実は、コロナになる前に映画のシナリオが出来上がっていました。北海道滝川市を舞台にしたもので、滝川市と東京都世田谷区の美術館を行ったり来たりする内容でした。しかし、コロナの影響で、北海道での撮影ができなくなり、東京での撮影となりました」。
杉田協士 監督からのオファー
「杉田監督の『ひかりの歌(4首の短歌を原作に制作された4章からなる長編映画)』を観に行った当時、私は顎の噛み合わせ調整の手術をしていて、顎がとても腫れていました。私を知っている杉田監督から『どなた?』と聞かれてしまいました。
その時、杉田監督から『あなたの顎が完治したら、顎手術完成記念映画を撮りましょう』と、杉田監督に言われました」と、語る知佳さん。
和やかな撮影現場
「実際に映画撮りの時は、監督がとても和やかなムードを作ってくださいました。皆のんびりとした雰囲気の中、スタッフ(カメラマン、照明、音響、監督の4人)と俳優数名の少人数で実施されました」。
はじめての映画出演の手応え
「監督には『そのままでいてください』といわれていたので、深く考えずにありのままで、普段の会話するように自然に演じました。映画撮影は、舞台とはまったく違った感覚でした」。
想定外の結果発表
「思いもよらない結果に、自分自身も大変驚いています。皆さんから『立ち振舞がとても素敵ですね』とのお言葉をいただきました」。
演劇に目覚める小・中学校時代
「滝川の市民会館にて2001年8月に上演された、たきかわ市民ミュージカル『あいと地球と競売人』に母に勧められて参加。出演したところ、最後のスタンディングオベーションが印象的で、とても嬉しかったのを覚えています」。
以後、小学校4年生の学芸会『ごんぎつね』やミュージカルに出演。中学校の文化祭では、主役で出演。
バスケット三昧の小・中・高校時代
「中学生の時は、バスケット部がありませんでした。そこで、卓球部に所属しながら、小学生時代に一緒にバスケットをやっていたメンバーと放課後に集合。有志の仲間でバスケットクラブを結成して、楽しんでいました。高校生になってもバスケット三昧の生活でした」。
演劇を本格的にスタートした多摩美の大学時代
2018年3月多摩美術大学卒業。
「大学は、多摩美に演劇部があると友人から聞き志望校に決定。多摩美では、演劇部が立ち上がったばかりで、私は演劇舞踊デザイン学科の1期生です。美術の基礎を1・2年で学び、3・4年では演劇を学生で作ることを学びました。当時、外部からの出演依頼もあり、先輩と一緒に舞台を経験しました。
こうした経験がきっかけで、俳優、役者としてやっていこうと思うようになりました。この多摩美の演劇部の活動が今に繋がっているので、勧めてくれた友人に感謝しています」と、知佳さん。
人との繋がりで存在する役者への道
「多摩美時代の先生や先輩の勧めや繋がりで、今の自分が存在します。自然な流れのなかで、役者への道をあるがままに歩んできたような気がします。
これまで、オーディションを受けたことがなく、オファーを頂くなど人との繋がりでここまで来ています。多摩美の先生が劇団の団長だったりしたので、そうした関係の繋がりがほとんどです。
卒業後は就職せず、呼ばれた舞台に次々に出演していました。現在は、どの劇団や事務所にも所属せず、フリーで活動しています」。
ベストダンサー賞受賞
「ダンスの公演にも出ています。今年3月11日・12日京都芸術センターで開催された『KYOTO CHOREOGRAPHY AWARD2020』大会で、ベストダンサー賞(小野・中澤振付作品『バランス』出演)を受賞しました」。
今後の予定・目標・夢
「来年2022年1月には、東京での舞台に出演する予定です。さらに、海外の映画際に招待されています。そして、最近の一番の夢は、大好きな『ティファール』のCMに出ること!
目標女優は、安藤サクラさん。今後は、さまざまな分野にチャレンジしていきたいと思います。舞台に限らずこだわりのジャンルはありません。色々な活動に挑戦してみたいし、素敵な作品を作れるなら何にでも参加してみたい。
デザインや書道なども好きなので、美術作品の展示等もやってみたいと思います」。
山田孝雄おじいちゃん(81歳)のお話
山田孝雄さんは、今年2021年6月に、北海道警察より感謝状を受賞(北竜町交通安全指導員を17年間任務)。カラオケ、木工工作が得意。
「知佳ちゃんが小さい頃は、友達とお笑いコンビを組んで楽しんでいました。小さい頃から、みんなの前で、みんなを楽しませることが好きだったね」と小さい頃の知佳ちゃんの思い出話をする孝雄おじいちゃん。
「そういえば、バスケ部の後輩メンバーの前で、お笑いのネタを披露したこともありました。ウケるというより、真剣に話を聞いて拍手してくれました」と懐かしむ知佳さん。
山田智恵子おばあちゃん(80歳)のお話
山田智恵子おばあちゃんは、舞踊、洋裁が得意。
「知佳ちゃんは、小さい頃から、ご近所の村上博士おじいちゃん(95歳)に、お習字を習い、立派な筆もいただいています。書道パフォーマンスでは、墨の中に足を入れ、書を描いたときは、驚きました」と智恵子おばあちゃん。
荒木知佳さんは、書道が得意で、看板の文字書きを依頼されたり、大学時代から踊りながら大筆で文字を描く独自の書道パフォーマンスも演じています。
知佳さんのパフォーマンス写真
書道パフォーマンス & 創作ダンス
山田家のリビングルームの壁には、書道パフォーマンスや創作ダンスの写真が飾られています。
知佳さんデザインの石狩川Tシャツ
山田孝雄さんが愛用しているTシャツは、知佳さんのデザインによるもの。デザインは石狩川の流れを表現したものだそうです。
佐野豊 町長のお祝いの言葉
「本当におめでとうございます! 実に素敵なお嬢さんです! 今後、ご縁があれば、ご協力させていただきたいと思います」。
サプライズで、ご近所にお住まいの町長から花束贈呈!!!
「みんなと楽しく過ごすことが大好き」と語り、小さい頃からお笑いが好きで皆を楽しませ、バスケットに、ダンスに、書道、デザインにと多才な才能に秀でた知佳さん!
明るく自由奔放で、限りなく自然体でありのまま姿を表現する、素敵な荒木知佳さんに、偉大なる愛と感謝と祈りをこめて。。。
マルセイユ国際映画祭での三冠の受賞を心からお祝いし、荒木知佳さんの益々の御活躍をご祈念申し上げます!
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◇ Nhiếp ảnh/biên tập: Noboru Terauchi Phỏng vấn/văn bản: Ikuko Terauchi