2019年9月24日(火)
令和2年4月に竣工予定となっている、北竜町の新保育園建設において、地中熱ヒートポンプシステムが導入されています。地中熱ヒートポンプシステムは、省エネを図り、CO2排出を削減するクリーンエネルギーの積極的な利用を目指しています。
▶ 地中熱ヒートポンプシステムの目的
地中熱ヒートポンプ使用の目的のひとつは、CO2排出削減にあります。エネルギーの循環を上手に利用して、省エネや環境保全(環境負荷低減)に積極的に取り組んでいくものです。
▶ 地中熱ヒートポンプシステムの原理▶ 家庭用暖房エアコンの仕組み家庭用暖房エアコンの場合、熱源が外気であり、室内機と室外機の循環するパイプに冷媒という液体を循環させます。液体が気体に変わる時、熱を奪って冷やし、気体が液体になる時、熱を放出して温める仕組みです。 夏の暑い日は、室内の熱を室外に排出して室内を冷やします。 ▶ 地中熱を使う仕組み地中熱ヒートポンプシステムの場合、温度変化の少ない地中の熱を熱源とします。冬は外気より高い温度、夏は外気より低い温度の熱源を使うことにより、効率のよいエネルギーの使い方が可能となります。 地中熱は、年間通して平均10度前後と言われています。 ▶ 地中熱を使うメリット夏は、30℃の外気温で冷やすより、10℃の地中熱を使って冷やす方が効率がよくなります。冬は、マイナス10℃の外気熱より、10℃の地熱を使って温めた方が、温度差が少ない分、効率がよくなり、省エネになります。
▶ 100mボーリングでWUチューブ22本使用
地中熱ヒートポンプシステムの場合は、100mボーリングし、WUチューブが2本セットになった管を埋め込み、5m置きに22本ボーリングする予定です。
▶ 地中熱ヒートポンプ・事業費▶ 総事業費総事業費は、1億4千300万円程。環境省の「再生可能エネルギー電気・熱自立的普及促進事業」の補助金(補助率2/3)を、9千500万円程受けるので、自己負担は4千800万円程となっています。 ▶ 年間ランニングコスト試算
・地中熱ヒートポンプの場合 :150万円 ▶ 二酸化炭素排出量(t-CO2/年)
・地中熱ヒートポンプの場合 :46 t-CO2
▶ 道内各地における地中熱利用の取組み例
これまでの地中熱ヒートポンプ・システム導入施設としては、「砂川市庁舎(砂川市)」「北欧の風道の駅とうべつ(当別町)」「北見信用金庫紋別支店(紋別市)」「日本銀行釧路支店(釧路市)」「サンフラワーパーク北竜温泉(北竜町)」などがあります。
▶ 地中熱ヒートポンプシステム導入へのハードル
・一般的に普及している設備ではないので、関係者の理解・説明に時間がかかる
▶ 地中熱ヒートポンプシステム・工期・工期:2019年4月25日(木)~12月20日(金)。完成後、検定
▶ サンフラワーパーク北竜温泉の廃湯熱ヒートポンプシステムの現状
2009年に、公共施設では道内初といえる、廃湯熱ヒートポンプシステムをサンフラワーパーク北竜温泉に導入しました。2011年の東日本大震災前は、年間1000万円ほどランニングコストが削減されてました。
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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子 |