また会ってしまいました。
そう、【No.5】に登場したＪ氏。
いつものショッピングモールのフードコートで買い物中の奥さんを待っているところでした。

「おう、また会ったな！おまえも暇なんだなぁ。あはは」

Ｊ氏、先日妻の職場（病院）の人間ドックを受けたのだそうです。
退職して１年と少し。現在は主夫として働く妻を家事で支える身。
【No.5】で書きましたが、年の離れた愛妻がＪ氏の大きなおなかを心配して、強く人間ドック受診を勧めたそうです。

「俺もあいつのために長生きしてやんないとなぁ。子供がいないんだから独りぼっちはかわいそうだしなぁ。」とのこと。

案の定、健診結果は惨憺たるものだったそうで、ヘモグロビンA1c、LDLコレステロール、中性脂肪、尿酸が上向き矢印状態。測るまでもなく腹囲は８５センチを軽く超え、測るまでもなく体重は「ハイもう聞きたくありません」状態。

その病院の人間ドックは、アフターケアがしっかりしていて、たとえ総合判定が「異常なし」であっても、もれなく保健指導がセットになっているそうです。

Ｊ氏は医師からさんざん失礼なことを言われ（事実を説明されただけなのですが）、別室で保健師さんにそのお腹を何とかするように指摘され、更に栄養指導を受けるよう勧められました。

Ｊ氏：「いやあもう、勘弁してください」
保　：「そんなこと言わないでＪさん。うちの栄養士にお話しさせてやってくださいよー」

・・・乗せられて栄養指導を受ける羽目に・・・。

「それがさぁ！まだ若くてさぁ。かっわいい栄養士さんだったさぁ♡」と目をキラキラさせるＪ氏。

栄：「Ｊさんすごいですねぇ。私こんなキレの良い数字のおなか回り（１００cm）初めて見ましたぁ！」
栄：「Ｊさんすごいですねぇ。そんなに一気にたくさんアイス食べたら、私だったら頭キーンって
　　　なっちゃいますぅ」
栄：「Ｊさんは食べることで心を落ち着けるのですねぇ。そういうことってありますよねぇ」

栄養士さんは、言葉巧みにＪ氏の食生活の問題となる事柄を残すとこなく聞き出してしまいました。
ぱしぱしぱしっと電卓を叩いて、一日に削ったほうが良いカロリーを計算してくれたそうです。

そして、
「週２日以上の６０分ウォーキング」、
「毎日お風呂上りに食べるアイスクリーム２カップとスナック菓子一袋をやめる」。
この２つを日常生活改善案として提案したそうです。
そして、こう言ったそうです。

栄：「・・・うーん、これって難しいですよねぇ。始めるのは勇気がいりますよねぇ。
　　　でもね、もしＪさんが私のお父さんだったら私、頑張ってやってみてって強く言ってしまうかも」

Ｊ氏、胸がキューンってしたそうで、「やりますっ！！」と言ってきちゃった・・・。

私：「あ～あ、もう！かわいい子だからってできない約束して！」
Ｊ氏：「だってよう、一生懸命褒めてくれて自分の身内だったらってさぁ、そんな風に考えてくれてよ。
　　　　うれしかったんだよー。だから俺頑張るんだ！」
　　　「それにさぁ、俺だって痩せてた頃は結構いい男だったの、お前知ってるだろー？てへへっ」
私：　(ﾟдﾟ)！

ついさっき妻の事を思い、美しい言葉を聞いたと思ったら・・・これだ。

３か月後に結果を報告に栄養指導の約束をしているのだそうで、毎日体重と腹囲を測り、簡単な食事日記を書いているのだそう。
人間何が大きな動機になるかわからないものです。
栄養指導後に一緒に写真を撮らせてもらったそうで、妻に内緒と言いながら見せてくれました。
確かにかわいらしい真面目そうな担当栄養士さん。

私：「くじけそうなときはこの写真見たらいいね。」
Ｊ氏：「おぉ！そうだなー。おまえいいこと言うなぁ。そうだ、アイス食べる？おれまだ食べてないんだ。」

・・・ここのアイスは食べていいんだ・・・・。

アイスを買いに行ったＪ氏を見送った後に、買い物を終えて戻ってきた奥さんと話をしました。


聞くところによると、Ｊ氏の担当栄養士さんは、奥さんの部下だそうで・・・！！
なんとＪ氏の奥さんは、人間ドック部門の課長さんだそうです。
指導の一部始終を担当栄養士さんに報告されているそうで、「受診者さんと一緒に写真撮ったのは初めて」と言われたそうです。

奥さん：「あれでも、気をつかっているの。ここで食べるアイスもね、こってりクリーム系じゃなくて、
　　　　　あっさりシャーベット系にしたりしてねぇ。涙ぐましいでしょう？うふふ。」

Ｊ氏がんばれぇ！！

 
「Ｊ氏保健指導を受ける」作・高橋由美子さん