中村裕世さん「北竜太鼓と私の二十年間」(北竜町ひまわり大学)

2014/02/18 14:07 に 寺内昇 が投稿   [ 2014/02/21 15:59 に更新しました ]
2014年2月19日(水)

2月13日(木)、雪深い日が続く中、時折お日様がほっこり顔をのぞかせた日。。。
北竜町教育委員会主催の高齢者大学「北竜町ひまわり大学」が、公民館大ホールで開催されました。

2月の講座は、「北竜太鼓と私の二十年間」と題する、北竜太鼓代表・中村裕世氏のご講演。
教育委員会・井口純一 係長の司会により講座がスタート。
生徒代表の「起立!礼」の号令、そして北竜町民憲章、さらに北竜町ひまわり大学学則を出席されたおよそ30名の皆さんで朗読。キリッと気持ちが引き締まります。

中村裕世さんを中心に、北竜太鼓から7名のメンバーの方々が入場。太鼓演奏「暑寒連山太鼓 勇み打ち」を披露。
躍動感あふれる、勇壮な鼓動が大ホールいっぱいに響き渡りました。


北竜町ひまわり大学「北竜太鼓と私の二十年間・中村裕世さん」   井口純一係長   開会の辞 
北竜町ひまわり大学  司会の教育委員会・井口純一 係長


中村裕世(なかむら ひろよ)さんのお話
中村裕世さん
以前より町内の高齢者の方々から、「太鼓を叩いてみたい」というお話を戴いていることを教育委員会に相談したところ、今回の講座でお話をさせて戴くことになりました。

私は、1966年(昭和41年)11月生まれ(48歳)丙午のさそり座です。ご縁が有りまして、北竜町の中村尚一さんにもらって戴きました。彼はかわいそうに、こんなじゃじゃ馬を貰って、今は後悔しているようでございます(会場笑い)。

私は、北海道空知郡栗沢町で生まれ育ちました。高校を卒業して就職は岩見沢市。高校卒業まで吹奏楽をやっていたので、音楽は身近な存在。
当時栗沢町には吹奏楽団がなく、それに代わる夢中になれるものを模索する中、栗沢太鼓に出会い、太鼓の迫力に魅了されました。

結婚式での太鼓演奏

1990年(平成2年)、北竜町改善センターで挙げた結婚式。花嫁として、そのアトラクションに参加し、赤いハッピをきて太鼓を叩かせて頂きました。当時北竜町では、太鼓演奏は非常に珍しいものでした。

 女性3名で太鼓結成

中村裕世さん 1993年(平成5年)、更別村より都澤さんが真竜小学校に赴任。初田さんが太鼓演経験者だったこともあり、3人で太鼓練習を開始。
夜7時からの練習を毎週毎週、7~8年間重ね、試行錯誤して曲に取り組んだ日々。北竜町の町おこしグループ「竜トピア」にご協力を戴き、町内のいくつかのイベントに参加するようになりました。

何かに夢中になりたかったという想い、人との触れ合いの中で培ってきたものを、このまま眠らせのはもったいないという思い、なんとか表現し、形にしていきたいという考えがありました。

メンバーは出産を機に、子連れで練習に参加するように。子どもは太鼓を聞きながらすやすやと寝ることもありました。

 子ども太鼓開始

幼稚園児だった高田くんの「ぼくも太鼓が叩きたい!」という言葉が切っ掛けで、自分の子どもたちも引き連れて、子どもたちとの太鼓練習がスタート。多い時は50人にも会員が増え、お母さんたちも一緒に家族で練習を続けました。

「日本宝くじ協会」の助成金で太鼓購入

一関町長の時代「日本宝くじ協会」の助成金を戴き、太鼓を購入。多くの方々のご協力とお力添えにより、太鼓とハッピなどを揃えることができました。
現在、大太鼓2尺(1基)、大締太鼓2尺(1基)、小締太鼓(6基)、担ぎ桶太鼓1尺4寸(7基)、宮太鼓1尺4寸(17基)、宮太鼓1尺5寸(6基)を所持。

 北竜太鼓10周年記念

2002年(平成14年)に10周年を迎え、ひまわりの里で焚いた松明をバックにし、5市町村が参加しての太鼓演奏が実現。

よさこいソーランまつり「パスキー & 北海道医療大学」に参加
中村裕世さん
2004年(平成16年)6月、よさこいソーラン踊りの中に、太鼓を載せた代車を引いてパレードに参加することができました。チームは「準大賞」を受賞。
同年10月には、三重県安濃津よさこいまつりに参加。

 北竜太鼓15周年記念空知太鼓連盟演奏会

2008年(平成20年)8月に15周年記念、そして、11月には北竜町文化連盟40周年記念に参加演奏。

 北竜太鼓20周年

2013年(平成25年)8月、北竜太鼓20周年を迎えました。近年では、毎年行われるひまわりの里オープン式、水子供養子供盆踊り、北竜盆踊り、町民文化祭、旭川太鼓フェスティバル、空知太鼓連盟演奏会、日本太鼓財団北海道道西支部ジュニアコンクール等にも参加しています。

 自分がいつまで太鼓演奏を続けていけるのかなという自問

中村裕世さん 30代は、がむしゃらに、やりたくて、続けたくて、みんなと一緒に太鼓が叩きたかった時代。
40代に入ってからは、いつまで叩けるのだろうという想い。自分に対する限界をなんとなく感じるようになってきました。

「いつまでも太鼓を叩き続けていきたい」という想い

 5~6年前に、「岩見沢ふるさと寿太鼓」という60歳からのシニアの太鼓グループを知りました。平均年令70歳の方々が太鼓を叩いていらっしゃる姿を拝見して、太鼓は一生叩いていけるものなんだなぁと感じました。

演奏では、高齢者の方々なので忘れることも多いようで曲の途中は揃わないことも。でも、最後には、一瞬す~っとひとつになって引き寄せられてような瞬間を迎えます。それは練習の成果であるとつくづく感じました。練習を積み重ねる事が、皆さんの若さを保つ秘訣であると羨ましく思いました。

この時から、「いつまで続けられるのかな」という自分に対する疑問は、
「いつまでも叩き続けたいなぁ」という考えに変わっていったのです。自分が頑張っている姿を、子供達に伝えていけたらいいなぁと思います。現在北竜太鼓は、後継者が育っていないので、世に出た子供たちがいろんな経験をして北竜町にもどってきて、北竜太鼓を引き継いてくれることを心より願っています。


講演会の様子(1) 
講演会の様子


北竜町文化連盟所属「北竜太鼓」の活動

 20周年記念・ひまわりの里での太鼓演奏DVD上映

20周年記念・ひまわりの里での太鼓演奏DVD上映 20周年記念・ひまわりの里での太鼓演奏DVD上映

北竜太鼓ちびっ子メンバーの演奏上映。
最近の子供たちは、昔より体力が落ちていることを感じます。バチをずっと握っていることが出来ません。
北竜太鼓のメンバー44名のうち、半分の22名が18歳以下の子供たちで、小学生が中心です。
そんな子供たちが元気に演奏してくれました。


 太鼓の調達や修理について

会の運営はメンバーの会費で成り立っていますが、太鼓の調達や修理等については、必要に応じて沢山のご協力を戴いており、心より感謝いたしております。今後とも、ご支援の程宜しくお願いいたします。


 太鼓練習

碧水生きがいセンターで、毎週水曜日と金曜日、19時~21時まで行っています。
冬期は、出演するイベントがあまりないので、基礎練習を中心に新しい曲にも取り組んでいます。


リズムに合わせた太鼓実演体験
北竜太鼓体験演奏
▶リズム1:
右手、左手を交互にドンドンドン、両手でドコドコドコー、セイ(休み)、両手でドン
▶リズム2:
右手・左手のリズムを変えて、ドッコ、ドッコ、ドッコー
▶リズム3:
右手右手左手、ドンドコ、ドンドコ、ドンドコ、ドンドコー

皆さん、バチを握って初めての太鼓叩き。
右手・左手とリズムに合わせて、真剣に笑顔で、
思いっきり楽しんでいらっしゃいました。

 叩くときの大事なポイント

打った後にバチを太鼓の面上で止めると音が響かないので、打った後はバチを離す。離すと音が広がります。
太鼓の真ん中が一番いい音がでるので、真ん中を気持よく思いっきり叩く!


太鼓を練習していると・・・
北竜太鼓体験演奏 身体がリズムを覚えます

繰り返し叩いて練習していくと、次第に身体がリズムを覚えていき、考えずに叩けるようになります
基本のリズムを身体に入れていくと、様々なパターンのリズムの組み合わせが可能になって、色々な曲が演奏できるようになってきます。

太鼓を思いっきり叩くと、イヤなことは忘れて、スッキリします

ストレス解消に、太鼓叩きはサイコーです!!!
時間を忘れ、夢中になれる瞬間を味わうことができます。

子供達は自分に自信がついてきます

できない時は叱りますが、うまくいったときに褒めると、しっかりとついてきてくれます。できなくて悔しい思いをしても、頑張り続けて褒められて、人前で演奏し発表する。この繰り返しによって「頑張れば人から認められる」という自信に繋がっていくのだと思います。


将来は太鼓のシニア部門を結成したい

年を重ねるにつれて、痛いところやできなくなることが増えていくのは仕方がありません。でも、今できることを続けていくこと、無理せず、やりたいことを楽しんで続けていくことが大切です。心と身体の健康が、好きなことを続けていける第一歩だと思います。


北竜太鼓の体験演奏 
北竜太鼓の体験演奏


アンコール演奏「やまびこ」

最後に、大学生皆さんのアンコールに応えて、
北竜太鼓の皆さんが「やまびこ」を演奏してくださいました。

大地を揺るがすような鼓動が、身体の奥深くまで響き渡り、
みんなの心がひとつになって、音の和が大きく大きく広がっていきました。


木と皮と打力が振動し、魂を震わせる音の響宴

心の鼓動と響きあう和太鼓の勇壮な音色に

大いなる愛と感謝と祈りをこめて。。。


xxx  xxx 
xxx  xxx 
北竜太鼓の成人メンバーによる演奏


◆ 関連記事

北竜太鼓(北竜町文化連盟)紹介ページ
北竜太鼓(中村裕世 代表) 平成24年度きたしん「ふるさと振興基金」文化奨励賞を受賞(2013年3月31日)
北竜町成人式 2013(2013年1月15日)
空知太鼓連盟創作太鼓演奏会@ひまわりの里(2010年8月8日)


◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子