高校生の農業体験@永井稔ファーム(元気村・夢の農村塾)

2015/06/23 14:45 に 寺内昇 が投稿   [ 2015/06/23 23:58 に更新しました ]
2015年6月24日(水)

初夏の青空が広がった6月17日(水)・18日(木)、1泊2日の農業体験「元気村・夢の農村塾」が北竜町美葉牛の農家・永井稔さん(37歳)宅で行われました。
永井稔ファームは、水稲・畑作合わせて43haの規模。また、稔さんは北海道農業士としてご活躍中。

ファームステイする学生さんたちは、大阪府立日根野高等学校(大阪府泉佐野市)の2年生の女子生徒4名。
今回は、2年生の修学旅行(3泊4日)の中に組み込まれたもの。生徒たちは3~4人のグループに分かれて、神居地区、雨竜地区、浦臼地区、月形地区、深川地区などで農業体験をしました。


永井稔さん宅(北竜町美葉牛)  永井稔さん宅(北竜町美葉牛) 
永井稔さん宅(北竜町美葉牛)


6月17日(水)の午後、深川営農センターで入村式を終え、それぞれの農家へ。
夕食は、大型倉庫内でのバーベキュー、そして外で花火!
「ほんまの星空~、めっちゃ きれいやわ~ 
北海道の味を満喫した後は、天然温泉・北竜温泉で旅の疲れを癒やします。

翌日、朝食を戴いた後、いよいよ農業体験スタートです。まずは、スイカ栽培のハウスで、着果棒のカウント作業。


農業体験のスタート・永井稔さんのレクチャー 
農業体験のスタート・永井稔さんのレクチャー


スイカ定植後、開花・着果し、実が鶏卵大になった時点で着果棒をつけていきます。
着果棒は、棒を立てた日付によって、5色に色分けされた棒と棒の先の5色のテープで区別されています。
着果棒を立てた日付からおよそ45日目くらいが収穫日。
色分けされた着果棒の数を確認することによって、収穫日におけるスイカの数量が判断できます。


出荷間近なマダーボール  マダーボールの着花棒を数えます 
マダーボールの着果棒を数えます


美味しいスイカを狙って、カラスや狐がやってきます。
そこで、ハウスのサイドの温度調整用の開口部にカラス除けのネットを張ったり、防獣用のオオカミバリア(狼の尿)をペットボトルに入れて吊るしたりします。


カラス除けのネット  防獣用のオオカミバリア(狼の尿) 
左:カラス除けのネット  右:防獣用のオオカミバリア(狼の尿)


そして、家庭用トマトの苗を支柱にひもで結ぶ作業です。ハウスの中では、様々な野菜たちが育っています。

ハウスの中は、ム~ンとした暑さ!「あっつぅ!」
ハウスの中での作業の大変さを実感!


トマトの苗を支柱にひもで結ぶ作業 
トマトの苗を支柱にひもで結ぶ作業


次の作業は、ハウスのパイプ運び。水稲育苗ハウス解体後のパイプの片付け作業です。
パイプはかなり重量があり、二人一組で運搬。「おもっ!」


ハウスのパイプ運び 
ハウスのパイプ運び


そして、またとない貴重な体験は、私道でのトラクター「ジョンディア6320」の運転。
永井さんが一緒に乗車し、説明を受けながら順番に畦道を20~30mゆっくりと運転。私道だからこそ可能な体験です。
「かっこええやん、めっちゃ おもろいっ ♬」と大喜びの女子たち。


トラクター「ジョンディア6230」の運転  順番に農道を20~30mゆっくりと移動 
トラクター「ジョンディア6320」の運転


その後向かった場所は、永井さんが栽培している麦畑。
ひんやりと吹く風に、緑の穂がゆらゆらと揺れる麦畑の中で、
全員揃って万歳ポーズ「麦畑だぁ~~~っ!」


麦畑だぁ~~~っ! 
麦畑だぁ~~~っ!
麦の開花 
開花中の麦


そしてひと休みは、軽トラに座って、おやつタイム!
「冷たい空気が気持ちええわぁ~ ♬」


休憩タイム  真っ青な空の下で食べると最高! 
真っ青な空の下で食べると最高!


たくさん身体を動かして運動した後は、昼食のクッキング実習。
ピザ&チョコブラウニー作りです。永井美保子さんより作り方の説明を受けてクッキングスタート!


永井美保オリジナル・チョコブラウニー  永井美保子のピザ 
左:永井美保子オリジナル・チョコブラウニー レシピ  右:永井美保子さんのピザ材料


たっぷりのチョコを溶かし、オイル、粉、黒千石ドン、ナッツを入れて、
様子を見ながら170度で焼くこと20分~30分。


粉をふるいにかけて  たっぷりのチョコを溶かします 
左:粉をふるいにかけて  右:たっぷりのチョコを溶かします
様子を見ながら170度で焼くこと20分~30分 
様子を見ながら170度で焼くこと20分~30分


焼いている間にピザ作り。フードプロセッサーにかけて3等分した生地を丸く伸ばします。


フードプロセッサーにかけます 
フードプロセッサーで生地作り
麺棒で均等に伸ばします 
麺棒で均等に伸ばします


上手に丸く伸ばした生地に、ビザソース、ハム(ベーコン)、ビーマン、ミニトマト、コーン、
そして2種類のチーズをたっぷりとトッピング!!!

180度で12分焼きます。チーズがとろけて、絶品ピザの出来上がり!!!
声を揃えて「ほんまおいし~~~ぃ ♬」パクパクパクっと、あっという間に完食です。


ビザソース  xxx 
ビザソースを塗ってたっぷりとトッピング!!!
プライパンで焼きます 
プライパンで焼きます


澄み渡る大空と爽快な風を感じながらの初めてのファームスティ、
どこまでも広がる雄大な田んぼに感激し、北海道の美味しさを実感した彼女たち。。。


永井稔さんの田んぼ 
永井稔さんの田んぼ


宿帳に記された彼女たちの感想は、

「永井さん御一家の『温かさ』がすごく伝わってきました。とても幸せな気分になりました」
「楽しくて帰るのが嫌なくらい楽しかったです。BBQ、花火、大阪では見ることのできないプラネタリウムぐらいの星空を見ることができて、嬉しかったです」
「星空を見ながらたくさんお話したことも、麦畑に入らせてもらったことも、一生の思い出ができました。貴重な体験をありがとうございました。ずっと永井さんお家にいたいと思いました」
「食事がとても美味しくていっぱい食べてしまいました(笑)黄色のスイカ最高でした。1日だけでなく、3泊したいくらい楽しかったです」などなど。。。

彼女たちのたくさんの素直な言葉が綴られていました。


気持ちいいぃ〜 ♬ 
気持ちええわぁ〜 ♬


この後、永井さんの車で、永井さんが栽培する畑や田んぼをくるりと一回り見学して、集合場所の深川へと向かいました。午後からは、旭山動物園、明日は富良野、明後日は小樽へと旅は続きます。


永井さんの庭を飾るルピナス 
永井さんの庭を飾るルピナス


永井稔さん「今回の農家体験は、初めての受け入れだったので、対処に不安な面が多々ありました。今後、実習内容について詳細なスケジュールを組む必要性を感じています。

都会の学生さんたちは、食べ物が『どんな人が、どんな場所で、どんな風に作られているのか』知らないで育ちます。

こうしたファームスティの体験は、自然の中で身体を動かし、農家の人々との交流をもつことによって、命に繋がる食べ物の尊さを身体と心で実感できたのではないかと思います。

彼女たちは、挨拶もしっかりしていて礼儀正しくて、とても素直で明るい女子です。彼女たちが着果棒数確認をしたスイカが収穫日を迎えたら、手書きの手紙を添えて、スイカを送ってあげようと思います。今まで味わったことのない北竜町のスイカが、子どもたちとの交流によって広がって、多くの人々に食べていただけるようになることは大変嬉しいことです。

これからも、受け入れの時間を作り出す努力を重ねて、積極的に農業体験の受入を実施していきたいと思います。
といっても、一番大変なのは妻ですが・・・(笑)。感謝しています!」。

と家族想いの優しいパパの眼差しで、しみじみと語ってくださった永井稔さんです。


永井さんの相棒・ジョンディア6230 
永井さんの相棒・ジョンディア6320


太陽と風、水と大地が織り成す、偉大なる大自然の中で、
生産者と心を交わし、身体を動かし様々な体験を通して、
命を育む食べ物の尊さを学ぶ農業体験に
限りない愛と感謝と祈りをこめて。。。


お父さん宅の庭を飾るボタン 
お父さん(永井捷弘さん)宅の庭を飾るボタン


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◇ 撮影・編集=寺内昇 取材・文=寺内郁子