スターチス(北育ち元気村花き生産組合)が全国へ出荷されています

2011/06/24 1:59 に 寺内昇 が投稿   [ 2011/06/25 20:17 に更新しました ]
2011年6月23日(木)

6月下旬、華麗なる花々で彩られている北竜町。 花卉(かき)栽培農家のハウスでは、早くも「スターチス シヌアータ」の花の出荷がはじまっています。 



スターチスの花言葉「永遠にかわらない愛」


◆ 「北空知の花はひとつ」が合い言葉

北竜町を含む北空知地域は、北海道の空知管内の北部に位置し、深川市、妹背牛町、秩父別町、雨竜町、沼田町、幌加内町、北竜町の1市6町から成り、大雪山から流れる石狩川と雨竜川が合流する肥沃な沖積土地帯。 

北空知地域では水稲を主体とした農業経営が中心でしたが、米価の下落や転作の拡大に対して、所得の確保と地域農業の活性化を図るため、水田転作の一つとして花卉栽培が導入されました。

そして設立されたのが「北育ち元気村花き生産組合」です。 

「北育ち元気村花き生産組合」について、JAきたそらち青果部の藤崎正雄さんにお話をお伺いしました。花卉生産組合の全体構成などについて、色々なことを詳しくご丁寧に教えてくださいました。迅速な行動力と、きめ細やかなお心遣いが魅力的な藤崎正雄さんです。 



藤崎正雄さん(きたそらち農業協同組合 青果部)


「北空知全体では、20数年前に水田転作の一つとして花卉栽培が導入され始めました。1994年(平成6年)には、花き生産連絡協議会が設立され、協議会主催の「道外先進地研修」が実施されました。1996年には花卉栽培の先進地である「長野県JA諏訪みどり」へ、1997年には「静岡県JA大井川」などで研修することによって、高度な技術や栽培方法を学びました。 こうした研修によって、高度な栽培技術を実際に視察し、体で感じ取れたことが今に至る大切な礎(いしずえ)となっていると思います」と藤崎正雄さん。 

1997年、北海道の花卉栽培のブランド名を「ホクレンの花」に決定。 

1998年、「北育ち元気村花き生産組合」が設立。この組合は「北空知の花はひとつ」を合言葉に、北空知管内11JAの花き生産者が団結して設立されたものです。 

1999年、一元集荷が可能になった「元気村花き広域集出荷施設」が完成。最新システムにより花の集出荷が合理化されました。「どの箱を開けても同じ」という安定した品質管理が実現しました。 

2001年・2002年には、花卉販売額で全道一となり、組合の主力品目であるスターチス類については、夏秋取り産地として全国有数の規模となりました。  

2004年、「北育ち元気村花き生産組合」が「第10回ホクレン夢大賞・農業者部門大賞」を受賞。 この賞は、ホクレンが、 北海道農業の担い手に夢と希望を与え、北海道の地域農業に活性化をもたらす先駆的な農業者に与えるもので、「北育ち元気村花き生産組合」の業績が高く評価されました。 

2010年度(1月1日〜12月31日)の、北育ち元気村花き生産組合全体の実績は、花卉栽培農家・約330戸、作付け面積・約7,900a、全品種の出荷数量・約33万箱、販売額・約13億2千万円です。 

全出荷量の97%が道外向け。関東方面は約48%、大阪方面は約43%です。


◆ 北竜町の花卉栽培の販売額は約1億円

北竜町の花卉栽培は、1995年に開始。1999年の花卉集出荷施設の完成に伴い、次第に作付面積、出荷数量も増加し、2007年には、目標の販売金額1億円を超えました。 

2010年度は、作付面積が530aを超え、出荷数量・2万6千箱。現在、18戸の栽培農家がたゆまぬ努力を続けています。 

藤崎さんは「栽培が難しく、細やかな作業を必要とする花卉栽培では、常に安定した品質・量を維持していくことが最も大切なことであり、これからも変わりません」と、努力と継続の大切さを語ってくださいました。 

今回、北竜地区で10年以上、花卉(スターチス・シヌアータ、シネンシス)を栽培していらっしゃる「干場守さん農家」をご紹介していただきました。 


    
左:花卉栽培のハウス  右:定植後


スターチス シヌアータを栽培する干場さんご家族(北竜町)
ご両親 と 守さん

    
左:摘芯(出て来た茎を切り取り、根の育成を促進)   右:7月頃から咲き始めるシネンシス


◆ スターチス栽培の干場守さん農家

 干場さん農家では、通常より一足早い6月下旬にスターチス・シヌアータの出荷が行われています。一般的には、仏花としての需要の多いお盆、お彼岸の頃が時期。 

干場守さんは、稲作と花卉栽培を効率良く組み合わせながら、ご両親、奥さんと一緒にご家族で花卉栽培に取り組んでいらっしゃいます。 収穫、出荷作業で大変お忙しい中、お話をお伺いすることができました。

「2月下旬から、除雪・ビニールハウスの設営準備。ハウス内の土を耕やし、肥料を散布するなどの土作りは、苗の成長に大変重要な要素となってくるので、気が抜けません。さらに、定植後は、 防除対策に取り組みながら、きめ細かい心配りが必要です。収穫、出荷時においても、大きさ、形、長さ、花のつき方などの区分が必要で、早朝から多くの時間が費やされます。 家族が協力してこそ成し遂げられる作業です」と花卉栽培における難しさと大変さを干場さんは語ってくださいました。 

スターチスの収穫は、6月から11月まで休む事なく続けられます。 生産者の皆さんの絶え間ぬ努力と、飽くなき挑戦です。


    
シーズンになると毎朝行われる収穫


スターチス シヌアータを栽培する干場さんご家族(北竜町)
守さん・奥様

    
白い部分が「花びら」、ピンク(紫)の部分は「がく」


たくさんの愛情が注ぎ込まれて成長する華麗なる花たち、 

その美しさに心潤い、その甘美な香りに心癒されることに 

無限なる愛と感謝と笑顔をこめて。。。



干場さんのお宅のお庭を飾る白い「こてまり」の花

◇ いくこ&のぼる

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