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北竜ひまわりライス生産組合

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北海道審査会・黒澤不二男 審査委員長講評

第6章 経営の特色・地域社会活動の特色について

1.全町集団営農化の取り組み(詳細は資料参照

近年、府県において集落営農の取り組みなど盛んに行われているが、北竜町においては、昭和36年(1961年)から既に協同の精神の下、地域ごとの営農組合により収穫作業を中心に実施している。
全町営農集団化は、過剰な農業機械投資を防ぎ、生産費の低減に大きく貢献してきた。また、様々な栽培技術の導入、良質米生産への取り組みに際しても有利に作用し、転作でも集団的な対応が容易であった。言い換えれば、営農集団によって農家間の経済格差の発生を最小限にとどめてきた。
平成2年(1990年)には北竜町営農集団連絡協議会が水田農業確立優秀集団として北海道初の、農林水産大臣賞を獲得している。

2.経営分析の実施、簿記研究会での学習会

ひまわりライス生産組合においては、地域の営農集団による低コスト生産体制が整っているものの、経営管理技術の向上によるより一層のコスト削減を目指し、簿記研究会等において学習会を開催している

3.品質向上こそが最大の販売力

道東、道北のエーコープチェーンを中心に、農薬節減米の取り組みが評価されており、道内向け販売が生産量の6割を占めている。今後も品質向上を図り、道内流通量を増やしていく戦略である。
また、道外販売においても、低農薬、生産情報公表JASを武器に付加価値をつけ、消費者が求める販売を展開していくが、最大の販売力はより品質の高いものをより多く生産することであり、販売活動はそのような生産努力を評価・認識してもらうための取り組みである。

4.地域に対する貢献

ひまわりライスは、平成26年(2014年)より北竜町ふるさと納税の返礼品として取り扱われている。
ひまわりライスの取り扱い以降、北竜町のふるさと納税が右肩上がりで増加し、平成27年(2015年)の納税額は 3.2億円を超える金額となっており、全国から集まった寄付金は、教育・子育て支援はもとより、農業振興やひまわりの里の整備などにも充てられている。
また、納税者の 9割以上は道外在住であり、ふるさと納税を通じて、北竜町の知名度アップにも大きく貢献している。

5.新規就農者支援の取組

北竜町独自の支援措置内容は、他の市町村と比較すると非常に手厚い。
これは「ひまわりライス」がふるさと納税返礼品として取り扱われ、納税額が増えたことによる効果も大きい。
また、過疎に苦しんでいる背景もあるため、生産者も自分の利益ではなく、全体の利益につながる対策に理解を示している。

① 農地の賃貸期間の内、5年間に係る賃借料の1/5を交付 ② 農地を取得するため最初に借入した制度資金に対し、1/10の額(250万円限度)を交付 ③ 制度資金借入額(2,000万円限度)の利率 3.5%を超える部分を 5年間交付 ④ 農地取得後、最初に賦課された固定資産税額を限度とし 3年間交付 ⑤ 住居用住宅の修繕増改築助成金として1/5の額(250万円)を交付


■ 近年の新規就農者数(単位:人)近年の新規就農者数(単位:人)

さらに、稲作は土地利用型農業であるため、初期投資が膨大であることが課題であるが、解決策として法人による雇用就農者の確保を目指し、近年、複数戸法人が立ち上がっている。
複数戸法人は雇用だけでなく、高齢による離農者の土地を引き受け、耕作放棄地を出さない地域農業の砦としても期待されている。
北竜町は営農集団による共同作業に古くから取り組んでいたため、複数戸法人設立に当たるハードルが他地域と比較すると非常に低い。

金田知樹さん(農事組合法人ほのか)、絵利紗さん(メロン栽培)ご夫妻 
研修生の金田知樹さん(農事組合法人ほのか)、絵利紗さん(メロン栽培)ご夫妻

6.女性の活躍について

(1)婦人部からはじまったひまわりの里

婦人部の 1戸 1アール作付運動から始まったひまわり栽培は、ひまわりの里の実現、さらには、サンフラワーパークの整備にまで、発展している。田んぼがあるだけの通過町であった北竜町が、ひまわりの作付運動により年間 25 万人もの都市住民が来訪する町に変化したのである。

(2)女性部によるひまわりライスの対面販売

農協女性部は、ひまわりライスの販売促進イベントへの参加を通じ、女性目線による消費者へのPRを行っている。特に消費者需要をとらえるアンテナとして、女性の感覚が必要不可欠である。
また、女性部の活動がきっかけとなり、JAおきなわの生産者との交流も始まるなど、販路拡大の一翼を担っている。

(3)加工品の活動

農協女性部の「ふみの会」は地域の活性化につながる活動を目指し、20年近く活動を続けている。農薬節減もち米を使用した「笹だんご」をはじめ、玄米・玄米麹を使用した漬け物の素「うまいぞ咲ちゃん」「うまいぞ玄ちゃん」などの加工品の製造・販売を行っている。

これらの取り組みは、北海道が主催する平成 22年度(2010年度)「女性・高齢者チャレンジ活動表彰」において、「奨励賞」を受賞した。
「女性・高齢者チャレンジ活動表彰」は、農業経営の改善や積極的な起業、地域振興などの活動が顕著な女性農業者や高齢者を称え、北海道知事より表彰されるものである。


ひまわりライスをPRする女性部 
ひまわりライスをPRする女性部

7.将来の方向

(1)ひまわりライスの更なる拡大

北竜町で生産される米のうち、ひまわりライスとして販売されるのは全体の約 2割である。つまり、町内で生産される農薬節減米の多くは慣行栽培の米と同様の扱いで販売されている。
農薬節減米は労働力を踏まえると高コストとなるため、慣行栽培と差別化を図り、ひまわりライスの取り扱いを拡大していきたい。
また、生産者努力を所得に結びつけるべく、今後の生産者と協力しながらひまわりライスの販路を拡大していく。

(2)さらにワンランク上を目指して

消費者需要をとらえ、農薬節減米から特別栽培米への生産を拡大するために、特別栽培米の精算単価を高くしている。
また、今年度(平成28年度・2016年度)から取り組み始めた「高度クリーン米」についても、生産を拡大し、さらにワンランク上の産地づくりに取り組んでいく。
今後、さらなる差別化、環境負荷低減を目指し、生産情報公表JASを全面的にPRし、消費者へ正確に産地情報を伝達していく。有機JASの需要は限定的であるため、今まで通り需要に応じた面積を作付しつつ、需要開拓を並行して行う

大阪のスーパーで販売活動を行う女性部 
大阪のスーパーで販売活動を行う女性部

8.過去の受賞歴

■ わが村は美しくー 北海道」運動コンクール(主催:国道交通賞北海道開発局)
  第4回(平成20年・2008年)地域特産物・銅賞受賞

■ 第52回北海道優良米生産出荷共励会・移植栽培部門(主催:北海道米麦改良協会)
  生産グループの部・第3部もち米・特別優秀賞(北竜もち米生産部会)

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